聚楽内科クリニック

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2019年新年を迎えて


 

熊本における医療の未来に向けて思うこと
聚楽内科クリニック院長 武本重毅(たけもと しげき)

 
 今年はいよいよ新しい時代の到来を予感させます。診療、研究そして国際交流に身を投じてきたこの30年を振り返ってみますと、バブルが崩壊し日本が経済問題に直面する中、高齢患者は増加し、診る対象がほとんど高齢者の病気となり、その状況に応じた医療・看護・介護体制が次々に構築され、結果的には医療界、社会全体が高齢者への対応で手一杯の状態になったような気がします。
また一方では日本国内の少子化と国際化が進み、若い医療人材の育成と外国人診療および外国人雇用についても考えざるを得なくなりました。これからの5年、10年は激動の時代になるかもしれません。
 
 そこで私がまず、クリニック院長を引き受けた当時に考えたのは、病気の予防と健康寿命の延伸を目的とした新しい医療を提供できないかということでした。
それまで何もなかった院内に電子カルテを導入し、そして外注血液検査の結果だけでなく院内に設置したX線、超音波装置、上部消化管内視鏡機器からの画像を診察室で患者さんと一緒に見ながら説明できるようにしました。
クリニックという最小単位の医療施設を通じて、世の中に向けて自分なりにできることはないかと、進む日本の少子高齢化に対して、社会保障費の増大に対して、日本の国際化に対して、それぞれ地域コミュニティーの健康サポート、産業医としての企業経営のサポート、そして熊本の国際化が進む中での外国人の医療・健康のサポートという3本柱を目標に掲げました。
 
 まず地域コミュニティーの健康サポートについては、開業から2年目を迎えて、関連施設従業員の健康管理を行っています。
健康を維持するための疾病リスクのスクリーニングを行い、クリニックの中での健康診断だけでなく他の健康管理センターを受診した際の人間ドックの結果につきましても、その結果の意味をわかりやすく説明し、生活の内容をどのように改善すれば良いかについて丁寧に指導するように心がけています。
また若者たちの未来のために少しでも力になれるよう、熊本北高校の校医として学生の健康をサポートし、医師会看護専門学校の講義を担当するようになりました。
 
産業医としては、企業の健康経営、すなわち最も貴重な資源である従業員のみなさんが健康で思う存分力を発揮できるよう、環境整備、健康診断、生活指導、予防接種、健康講話などに力を注いでいます。
企業全体が従業員の健康を意識し、その結果として企業業績がアップするという好循環が生まれることで、社会保障費の削減にもつながります。
また、がん治療を受けた従業員の復職や身障者の雇用など、バリアのない職場環境づくりをサポートしていきたいと考えています。
 
 もう一つの柱は熊本の国際化、特に外国人医療の多様性への対応です。
日本、そして熊本は今年新たな時代の幕を開けます。女子ハンドボール世界大会、ラグビーワールドカップ、来年のオリンピックパラリンピック東京大会、そして2025年の大阪万国博覧会と、急速な国際化の波が押し寄せています。
私は、熊本市医師会国際交流委員として米国サンアントニオのベア郡医師会との交流を続け、またさらに来年からの目標として、熊本における医療の国際化、生産年齢人口減少への対策としての外国人雇用というわれわれが直面する問題に対して、これまでの経験と知識を活かしながら取り組んでまいる所存であります。

武本 重毅
武本 重毅
聚楽内科クリニックの院長、医学博士。