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医学博士とシェフ/ソムリエの健康レシピ

ハーブを使った美味しい料理にワインを添えて病気の予防

<全12回>

第10回テーマ:

胃腸の不調その2「嘔吐」

    ハーブ:
    ジンジャー
    レシピ:
    ジンジャーのティー

吐き気の緩和や嘔吐の軽減にジンジャーが役立つということが、多くの臨床研究から報告されている

 吐くのは、腸管や腹直筋の収縮により胃の内容物が口から出てくることで、吐き気はその吐きそうだという差し迫った感覚や心理的体験を指します。その原因は、脳腫瘍や脳卒中など嘔吐中枢を刺激するものや薬物・中毒などの化学物質によるもの、不安や緊張といった精神的なもの、その他乗り物酔いや心筋梗塞、放射線治療など多岐にわたります。

 現代のハーブ療法では、消化不良や吐き気を抑える薬草として高く評価されているものがあります。特に、吐き気の緩和や嘔吐の軽減にジンジャーが役立つということが、多くの臨床研究から報告されています。つわりや乗り物酔いに加えて、化学療法に伴う吐き気を軽減することでも注目されています。米国国立がん研究所が化学療法を受けている患者に対して行った臨床試験があります。この試験では、化学療法の前後3日間ずつ、制吐剤と一緒に0.5~1.0gのジンジャーを投与したところ、ジンジャーを併用しなかった場合と比べて、吐き気の軽減した人が4割増えました。

消化促進や胃のむかつきを抑える作用:ジンジャー

    学名
    Zingiber officinale(ジンギベル オフィキナレ)
    和名
    生姜
    科名
    ショウガ科
    使用部位
    根茎
    主要成分
    ビタミン、精油、ミネラル、辛味成分(ジンゲロール、ジンギベレン、ショウガオール)
    作用
    消化機能促進、利胆、制吐、消炎、血行促進、陽性変力、鎮痛、鎮痙、発汗、抗菌、抗酸化、血管拡張、健胃、駆風(くふう、胃腸内にたまったガスを排出させる作用)
    適応
    つわり、炎症性疾患、消化不良、乗り物酔い、関節炎、解熱、喉の痛み、冷え症、鼓脹

TIPS

 ジンジャーには体を温める性質があるので、スピリチュアルな観点からもエネルギーが増すと考えられています。成功祈願や病気の治療の効果を上げるためにも使われました。ジンジャーを栽培し、パウダーを持ち歩くと金運がアップするとも言われています。ジンジャーはその温かい性質から、凍結した感情を温め、緊張をほぐしてくれる作用があります。冷たく横柄な人、優越感によって自分の傷つき易さを守ろうとする人、お高くとまった人、まわりに壁を作ってしまう人にいいハーブです。人生に対して心を開き、信頼できるようにサポートしてくれます。

 血行促進の作用に優れます。体を温め、代謝を高めます。 そのため、冷え性の人、風邪のひき始めや発熱時、むくみが気になる人に効果的です。そのほか消化促進や胃のむかつきを抑える作用があるので、乗り物酔い、つわり、吐き気に効きます。また、乾燥させたジンジャーは特に、関節炎などの炎症性疾患の緩和に効果的です。乾燥させることで、ジンジャロールという成分が、ショウガオールに変化し、より消炎や鎮痛作用が強まるためです。

ジンジャーの安全性について

適切に使用する場合、安全に摂取することができるハーブ

ジンジャーを使ったおすすめのレシピ

レシピ

ジンジャーのティー

ハーブティー
作り方:
  • ジンジャー粉末を熱湯で抽出し、カップに注ぎます。