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聚楽内科クリニック院長先生の
健康講座

第1回:

高齢者のためのこれからの医療

    開催日:
    2017年4月22日
    場所:
    特別養護老人ホーム 風の木苑
    講師:
    聚楽内科クリニック院長 武本重毅

 平成29年4月22日土曜日の14:00~14:30、特別養護老人ホーム 風の木苑 1F地域交流ホールにて第1回健康講座を開催しました。快晴の中近隣の方々22名(男性10名、女性12名、平均年齢71.1歳)に参加していただき、今月よりリニューアルした聚楽内科クリニック院長として、西原地域の皆様の健康をサポートさせていただくための所信表明のよい機会とすることができました。

 これまで探究心をもって、細胞内遺伝子やタンパクの変化から細胞外血液中タンパク異常へと研究を続けた結果、血管障害とがん進展との関係を明らかにする方向へと行き着いたこと。社会保障問題が議論される中、海外研修員との交流の中で知ることのできた医療や介護のグローバル化、そして昔の日本社会ではあたり前のように身近にあった住民の皆が一緒にとりくんでいたコミュニティの重要性を肌で感じるようになったこと。これらの経験から、私が目指すことが見えてきました。

 その一つが、動脈硬化に代表される血管障害をいかに予防し、克服するかということです。65歳以上の4大死因である、心疾患や脳卒中はもちろん、前述しましたように血管障害はがんの進展にも関与しており、さらには肺炎の重篤化にも関係があるのではないかと考えております。そして、全身疾患である高血圧、糖尿病、腎障害、特に熊本市が取り組んでおります慢性腎臓病(CKD)も、その主たる病変は血管にあると言えます。

 もう一つが、西原地区の皆様と一緒に取り組む地域医療ケアシステムの構築です。高齢化が進み、人口が減り、一人暮らしやご夫婦で暮らしている方が多くなっているこの地域で、皆様が安心して、元気に生活するためのコミュニティを再生するお手伝いをさせていただきたいと考えています。既存の病院、医院、介護施設、ケアマネージャーの方々と共に、協力して、多角的に健康面のサポートをさせていただきます。

 私がこれからの医療として考えているのは、病気になってから治療を始めるのではなく、病気にならないように自分で身体や生活をコントロールし、発症するリスク(危険性)を抑え、あるいは何年後かにそれが起こることを予測して、病気になることに備えるという新しい取り組みです。そのためにも、今回から月に一回のペースで開催する予定の本健康講座を通じて、皆様自身に身体のことや病気のことを知っていただき、ご自身で身体の管理ができるようなお手伝いをしたいと思います。



※この記事は院長が行った講座の内容をまとめたものです。