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院長日記

5月11日第20回ガン免疫療法勉強会に向けて②「がん免疫を活かすには、“老化”を治すしかない」

武本 重毅

皆さま、こんにちは。聚楽内科クリニック院長の武本重毅と申します。

今日は、「がん免疫療法」「アンチエイジング」——

この一見別のように思える2つのテーマをつなぐ、私自身の臨床と研究の経験をもとに、お話させていただきます。

がんという病気は、遺伝子の異常だけでなく、「体の環境」に大きく左右されます。

特に高齢者においては、

慢性炎症・免疫力の低下・ミトコンドリア機能の衰えが進み、それが“がんの土壌”をつくってしまうのです。

私たちは今、「Immunosenescence(免疫老化)」という新しい課題に直面しています。

T細胞が働かなくなる、NK細胞が鈍くなる、炎症性サイトカインが慢性的に放出される——

まるで免疫のエンジンが故障したような状態です。

 

Author:

武本 重毅

聚楽内科クリニックの院長、医学博士。