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院長日記

危機と再生の医学 第1回:危機のあとに、進化がある

― パンデミック時代を越えて、いま医師として思うこと ―
武本重毅(聚楽内科クリニック 院長)

第1回:危機のあとに、進化がある

パンデミック、経済の混乱、そして戦争。
これらの出来事は、まるで連鎖するかのように世界を覆い、私たちの日常を揺るがしました。
感染症が広がれば命の脆さと向き合い、経済が揺らげば暮らしの不安が増し、戦争が起きれば平和そのものが試される――。

しかし、私はこれを“偶然の重なり”とは思いません。
むしろ、こうした危機の先には、必ず「再生」と「進化」が待っていると感じてきました。

歴史を振り返れば、ペストの後にはルネサンスが、戦争の後には国際連携や医療の進歩が訪れています。
人類は、試練のなかで価値観を塗り替え、科学と文化を刷新し、次のステージへと歩み出す力を持っているのです。

いま、私たちは再びその岐路に立っています。
医学も、「治す医療」から「再生する医療」へと大きく舵を切り始めています。
細胞を若返らせる研究や、ミトコンドリアを活性化する技術がそれを後押ししています。

危機のあとに、進化がある。
それは、私たちが歴史から学べるもう一つの真実なのです。

Author:

武本 重毅

聚楽内科クリニックの院長、医学博士。