Director's blog
院長日記

「自立して働く」という新しい老後のかたち

〜無理なく、楽しく、いきいきと〜

こんにちは。聚楽内科クリニックです。
みなさんの身近にも「まだまだ現役!」と元気に働いている70代、80代の方はいらっしゃるのではないでしょうか。最近では、コンビニの店員さんやスーパーのレジ、地域のボランティア活動などで活躍する高齢の方をよく見かけます。

「年をとっても元気で働けるっていいなあ」「自分も将来あんなふうにいたい」と感じる方も多いと思います。

今日はそんな「自立して働く高齢者」という生き方について、いっしょに考えてみたいと思います。

 

自立して働くってどんなこと?

「働く」というと、フルタイムで朝から晩まで忙しく動き回るイメージがあるかもしれません。でも、ここでいう「自立して働く」とは、自分のできる範囲で、無理せず、楽しく続けることを指します。

たとえば――

・週に2〜3回、近所のスーパーやカフェで短時間のパートをする
・趣味の編み物や手芸作品をフリーマーケットで販売する
・地元の観光案内や町内会のボランティア活動に参加する
・家にいながら、インターネットで記事を書いたり、イラストを描いたりする

こんなふうに、自分の体力や気持ちに合った働き方を選ぶことが「自立」の第一歩です。

 

■ 4つの「自立」が心と体を元気にします

自立して働くことには、次の4つの大切な要素があります。

体の自立
日常生活を自分の力で行い、外に出たり人と会ったりする体力があること。無理せず、適度に動くことで体調も整います。

心の自立
「やってみたい」「楽しい」「役に立ちたい」そんな前向きな気持ちが、自分らしさにつながります。

社会の中での自立
人と関わることで、孤立やボケ防止にもなります。誰かに「ありがとう」と言われる喜びは、何よりの元気のもとです。

お金の自立
たとえ収入が多くなくても、自分で稼いだお金を好きなことに使えるのは、生活の張り合いにつながります。

 

「まだ必要とされている」と感じることの大切さ

人は誰でも「誰かの役に立っている」と思えると、心が元気になります。
最近の研究でも、働く高齢者の方はうつ病や認知症のリスクが低く、健康寿命も長いと言われています。

たとえ週に1〜2日、1日2〜3時間でも、「自分にはできることがある」「まだ社会に必要とされている」と感じることが、体や心にとって大きなプラスになるのです。

 

無理は禁物。自分のペースが大事です

もちろん、がんばりすぎは禁物です。若い人に遠慮したり、無理して重い荷物を持ったりする必要はありません。自分の体と相談しながら、できる範囲で続けることが大切です。

最近は、企業や地域も「高齢者が働きやすい環境づくり」を進めています。短時間勤務、座り仕事、軽作業など、選べる仕事も増えています。もし「何かやってみたいな」と思ったら、ぜひ身近な仕事やボランティアを探してみてください。

 

「働く」ことは「生きる力」につながります

「年をとったら働かない方がいい」「老後は静かに過ごすもの」――そんな時代は、もう昔の話かもしれません。これからは、何歳になっても無理なく、楽しく、社会とかかわることが大切な時代です。

聚楽内科クリニックでは、健康づくりの相談はもちろん、「どんなふうに生活したらいいか」「こんなことを始めてみたいけれど体力的に大丈夫?」といった日常の疑問にもお答えします。お気軽にご相談ください。

「元気だから働く」「働くから元気になる」――そんな前向きな暮らし方を、私たちも応援しています。

Author:

武本 重毅

聚楽内科クリニックの院長、医学博士。