AMED(日本医療研究開発機構)が推進する「ムーンショット目標7」についての最新情報 🧬
🎯 ムーンショット目標7の概要(2040年達成目標)
「主要な疾患を予防・克服し、100歳まで健康不安なく人生を楽しむためのサステイナブルな医療・介護システムを実現」 (amed.go.jp)
具体的には、以下の 3つのターゲット を掲げています (amed.go.jp):
- 日常生活の中で自然と予防できる社会の実現
・免疫や睡眠の制御による健康維持技術の開発
・2030年までに、低負荷で生体トレンドを把握・管理する技術を実現 (www8.cao.go.jp) - 世界中どこでも同質の医療にアクセスできるメディカルネットワーク
・2020年代末までに簡便検査・治療機器や自宅診療の体制を整備
・2040年までに医薬・医療機器開発の高度化と診断治療の革新を実現 - 負荷なく QoL(生活の質)の劇的改善と健康格差の解消
・自宅での自立生活を支えるリハビリ・機能再生技術の開発
・包括的でインクルーシブな医療・介護インフラを整備 (www8.cao.go.jp)
🔍 キーワード: 慢性炎症(chronic inflammation)
ムーンショット目標7の最重要キーワードは “慢性炎症”。加齢や肥満に伴う慢性炎症が、がん、糖尿病、認知症、動脈硬化など多くの病の根底にあると考えられています。
この炎症を検出・制御することで、平均寿命と健康寿命のギャップを「ほぼゼロ」に近づけることが目指されています (amed.go.jp, sj.jst.go.jp)。
🧩 代表的なプロジェクトと研究者たち
複数のプロジェクトが、慢性炎症に関連する多様な角度からアプローチしています :
- ミトコンドリア機能低下の早期検知と介入(東北大・阿部高明教授) (mitomoonshot.med.tohoku.ac.jp)
- 腸内細菌とミトコンドリアの相互作用解析による健康増進
- 睡眠制御・冬眠誘導技術(筑波大・柳谷正士教授)
- 細胞系統変換によるがん予防(RIKEN 小関晴彦氏)
- ナノ量子技術による局所炎症検出・神経刺激制御
- センセンス細胞除去による老化関連疾患予防
など、多領域横断の研究が進行中 (sj.jst.go.jp)
🎥 動画でわかる!プログラム紹介
長編の公式プログラム紹介動画では、平野利夫PDがプログラム全体の狙いや2040年に将来社会への展望を丁寧に解説しています。ぜひご覧ください:
AMED ムーンショット目標7 長編紹介/Program Intro (10 min)
📅 最近の活動とイベント
- 2025年3月1日:公開シンポジウム「100歳でも健康に生きられる医療の実現」開催(8名のPMが登壇) (amed.go.jp)
- 2025年6月:プログラム紹介リーフレットが更新、認知症領域のPMを3名追加
- 2025年7月23〜28日:大阪・関西万博のFLEで「慢性炎症ハンターズ」という体験型イベント実施予定 (amed.go.jp)
✅ まとめ:なぜ重要?
- 未病の段階での「見える化&制御」により、健康寿命を大幅に延伸
- 医療アクセスの格差是正で、災害時や地方でも高品質な医療が可能に
- QoLの改善と社会支援の統合で、100歳時代でも自律した生活をサポート
これらの取り組みにより、日本国内だけでなくグローバルで高齢化社会に対応するモデルの構築が期待されています。