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院長日記

“ミトコンドリア活性化”で免疫も変わる? ──風邪・炎症・アレルギーとエネルギーの関係

武本 重毅

■ 「免疫力を上げたい!」でも、何をすれば?
・最近風邪をひきやすくなった
・花粉やハウスダストに過敏になった
・肌荒れや関節の違和感がなかなか治らない
・コロナ後の“なんとなく不調”が続いている

こうした症状に共通しているのが、免疫バランスの乱れです。
そしてその背景には、免疫細胞のエネルギー源=ミトコンドリアの働きが深く関わっていることが、近年の研究で明らかになってきました。

■ 免疫細胞も「エネルギーがなければ働けない」
私たちの免疫細胞(マクロファージ・T細胞・NK細胞など)も、
活動するためには大量のエネルギー(ATP)を必要とします。

このATPを生み出しているのが、細胞内のミトコンドリア。
つまり、ミトコンドリアが元気なら免疫も元気、ミトコンドリアが疲れていれば免疫も働けないのです。

■ 免疫とミトコンドリアの密接な関係
•  T細胞:異物を見つけて攻撃する「免疫の司令塔」
 → ミトコンドリア機能が低下すると、老化T細胞(SA-T)や慢性炎症の原因に
•  マクロファージ:炎症を起こして敵を排除
 → ATP不足で「炎症がだらだら続く体質」に
•  好酸球・肥満細胞:アレルギー反応の調整
 → ミトコンドリア不全でヒスタミン過剰放出、過敏体質に

さらに、慢性疲労・自己免疫疾患・アレルギー症状も、
ミトコンドリア機能の低下やATP枯渇と密接に関連しています。

■ ミトコンドリア活性化で“免疫の土台”を整える
聚楽内科クリニックでは、免疫の不調に対しても「ミトコンドリア活性化」によるアプローチを実践しています。

 ミトコンドリア活性化で期待できる免疫改善効果:
•  NMN補給:免疫老化(SA-T細胞・CD153)への介入、抗ウイルス活性向上
•  5-ALA補給:ミトATP産生とヘム酵素の強化で、免疫細胞の代謝リセット
•  水素吸入:免疫細胞を傷つける活性酸素(ヒドロキシルラジカル)の除去
•  抗炎症×抗酸化の食事療法(地中海式+発酵食品+ビタミンD・亜鉛)
•  良質な睡眠・深呼吸・日光浴で副交感神経と免疫のバランス調整

特に、「風邪をひきやすい」「アレルギーが年々ひどくなる」という方には、
体の奥からエネルギーを整える“ミトコンドリア活性化×免疫調整”が効果的です。

■ まとめ:「免疫力=エネルギー力」
免疫というと、ウイルスとの戦いのイメージが強いかもしれませんが、
その“戦いの現場”で使われているのは、まさにミトコンドリアが生み出すエネルギー(ATPです。

つまり、免疫を整えるには、まずエネルギーの出どころを元気にすることが重要。
“ミトコンドリア活性化”は、見えないところで毎日あなたを守っている「免疫細胞たち」の応援団なのです。

次回予告:
「“ミトコンドリア活性化”で見た目も変わる?──肌・髪・爪・ハリ・ツヤと細胞エネルギー」

Author:

武本 重毅

聚楽内科クリニックの院長、医学博士。