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院長日記

【第2回】Mito Rising応用編:「腸とMito Rising」

武本 重毅

【第2回】腸とMito Rising

“腸が整えばミトコンドリアも整う”──腸内細菌とミトコンドリアの驚くべき共生関係

「最近疲れやすい」「代謝が落ちた」「朝スッキリしない」。これらの不調は、“腸”と“ミトコンドリア”のW低下が関係しているかもしれません。実は、私たちの腸内細菌とミトコンドリアには、進化の歴史をさかのぼるほど深いつながりがあります。

腸内フローラの産物=ミトの燃料になる

私たちの腸には、100兆個を超える細菌が住み、さまざまな代謝物を生み出しています。中でも「短鎖脂肪酸(酪酸・酢酸・プロピオン酸)」は、食物繊維を分解することで生まれる善玉産物で、ミトコンドリアのエネルギー源(=燃料)として活躍します。
特に酪酸は、腸の上皮細胞や筋肉・肝臓のミトコンドリアで直接ATP産生をサポートし、全身の代謝や免疫にも影響を与えることがわかってきました。

腸漏れとミトコンドリア不全の悪循環

一方で、現代の食生活(高脂肪・高糖質・添加物過多)やストレスで、腸の粘膜バリアが壊れ「腸漏れ(リーキーガット)」が起きると、炎症物質が血流に乗って全身に拡散。これがミトコンドリアにダメージを与え、ATP不足・疲労・免疫力低下という悪循環が生まれます。
つまり、腸の炎症=ミトコンドリアの機能低下を引き起こすという関係性があるのです。

発酵食品・食物繊維でMito Risingをサポート

腸内環境を整える最も手軽な方法は、「発酵食品」と「食物繊維」の摂取です。納豆、キムチ、味噌、ぬか漬けなどの発酵食品は、善玉菌そのものと有用な酵素を供給し、ミトコンドリアの燃料である短鎖脂肪酸の生産を助けます。
また、野菜・海藻・きのこ・豆類に豊富な食物繊維は、腸内細菌のエサとなり、長期的な腸内改善=ミトコンドリア支援につながります。

おすすめ!「腸活×Mito Risingレシピ」

ミトコンドリアと腸に同時に効く“W活性”メニューを紹介します。

納豆・海藻・きのこの和風サラダ
• 納豆:ナットウキナーゼとビタミンKで血流&腸内環境をサポート
• 海藻(わかめ・もずく):水溶性食物繊維とミネラルが腸粘膜を修復
• きのこ(しめじ・舞茸):β-グルカンが免疫とMito Risingに◎
• 仕上げにオリーブオイル+レモン汁で地中海風にアレンジも可能!

まとめ──「腸を整えることは、細胞のエンジンを整えること」

腸内フローラとミトコンドリアは、まるで古くからの“共生パートナー”。
腸を整えることは、細胞の中でエネルギーを生み出すミトコンドリアの働きを支え、疲れにくい体と若々しい代謝を保つ第一歩になります。

次回は、「がんとMito Rising」をテーマに、がんと細胞エネルギーの知られざる関係に迫ります。

Author:

武本 重毅

聚楽内科クリニックの院長、医学博士。