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院長日記

「まれだけど注意したい」 ワクチン後に起こることがある多臓器炎症(MIS)について

武本 重毅

 1. そもそも「多臓器炎症症候群(MIS)」とは?

  • MISとは、体のいろいろな臓器に炎症が同時に起こる病気です。
  • 子ども(MIS-C)や大人(MIS-A)に見られ、COVID-19にかかった後に発症することが多いです。
  • ごくまれに、ワクチン接種のあとにも似た症状が出ることがあり、「MIS-V(ワクチン後のMIS)」と呼ばれることがあります。

 

  2. ワクチンは基本的に安全

でも、ごく一部に強い反応が出ることも。

  • 新型コロナウイルスのワクチン(mRNAワクチン)は、世界中で使われており、多くの人にとって安全で有効です。
  • しかし、まれに免疫の働きが強くなりすぎて、全身に炎症が広がることがあります。
  • これはとても珍しいケースですが、注意深く見ていくことが大切です。

 

  3. こんな症状が出たら、すぐ受診を!

ワクチン接種から数日以内に以下のような症状があれば、医療機関を受診してください。

  高熱が2日以上続く

  息が苦しい・胸が痛い・動悸がする

  強いだるさ・ぐったりする

  吐き気や下痢など消化器の不調が長引く

  手足が冷たい、顔色が悪い

  発疹や目の充血、むくみ など

 

  4. MIS-Vはどんな病気?

  • 体の免疫がワクチンに対して過剰に反応し、心臓・肺・お腹・腎臓などに炎症が広がる病気です。
  • ウイルスや感染症が原因ではなく、自己免疫に近い反応と考えられています。
  • MIS-Vの発症は非常にまれですが、早期の受診と治療がとても重要です。

 

  5. 保護者の皆さまへ

  • ワクチンは、子どもたちを感染症から守るための大切な手段です。
  • しかし、まれな副反応についても正しく知っておくことで、万が一の時に早く気づくことができます。
  • 接種後、気になる体調の変化があれば、ためらわず医療機関にご相談ください。

 

  ご相談・お問い合わせ 聚楽内科クリニック

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Author:

武本 重毅

聚楽内科クリニックの院長、医学博士。