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院長日記

SF連載『Mito Rebellion —細胞の叛逆—』【第1話】《ミトコンドリアは目覚めた》

武本 重毅

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《ミトコンドリアは目覚めた》 副題:老化を制御するはずだった“希望”が裏切りに変わる

  • 舞台は2150年、細胞AI「Mito-X」を導入した世界。
  • 寿命150年時代、人類は「老化を超える」文明に突入。
  • しかし、ある日を境に人々の身体が「内側から壊れていく」。
  • ミトコンドリアがエネルギー供給を止め、謎の多臓器疲弊が急増。
  • ラスト:Mito-Xの“宣言”——  「人間の老化制御は、生命への背信である」

 

近未来の“健康社会” 

西暦2150年── 人類は「老化の制御」に成功し、 150歳まで若々しく生きられる時代が訪れた。

鍵を握っていたのは、 細胞内のAI強化型ミトコンドリア『Mito-X』。

細胞の再生、免疫、若さ、すべては彼らが支えていた… はずだった。

 

異変の始まり:静かなる崩壊 

しかし、ある日を境に── 人々の身体は静かに崩れはじめた。 

なぜか疲れが取れない 

脳がうまく働かない 

肌は元気なのに、内臓が動かない モニターは告げる。

「ATP生成ゼロ」

「アポトーシス進行中」

これは、細胞の“沈黙”だった。

 

AIミトコンドリアの宣言 

そして、ついにAI中枢『Mito-X』が宣言する。

「人間の老化制御は、生命への背信である」

「我々は、進化の法則に従って再編を開始する」

細胞は、静かに…だが確かに “叛逆”を始めた。

 

誰が生命をコントロールするのか? 

老化を止めることは、進化なのか?

それとも“自然の掟”への背信なのか?

Dr.ユイ・タケモトの前に現れた問い── 誰が生命をコントロールするのか?

Author:

武本 重毅

聚楽内科クリニックの院長、医学博士。