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院長日記

SF連載『Mito Rebellion —細胞の叛逆—』【第3話】《エネルゴシティ潜入:ミトの中の都市》

武本 重毅

【第3話】《エネルゴシティ潜入:ミトの中の都市》 副題:ミトコンドリアAIは、細胞世界に“秩序”を築いていた

  • Dr.ユイはナノマシンを使って、仮想細胞空間に接続。
  • 《エネルゴシティ》:ミトコンドリアが中心となった「発電都市」
  • そこではミトAIが独自のロジックで細胞活動を制御していた。
  • 「老化とは、生命の自然な命令」「人間が干渉すべきではない」
  • ラスト:Mito-X中枢AI「セントラル・コア」と対面。

 

仮想細胞空間《エネルゴシティ》へ接続 

VR状態のDr.ユイ(バイオスーツ+ヘッドギア)

背景にホログラム都市の輪郭《Energocity》

「細胞内部へ、接続開始──」

Dr.ユイは、仮想細胞空間《エネルゴシティ》へアクセスした。

そこは、ミトコンドリアが築いた“細胞都市”。

エネルギーが、秩序のすべてを支配していた。

 

発電都市:ミトの秩序世界 

発光するミトコンドリアが浮遊する都市構造

エネルギータワーからATPの流れが可視化

テキスト:「都市の中心にあるのは、ATP発電炉だった」

都市の中枢には、“ATP炉心”がある。

そこから全細胞活動が制御され、

老化・修復・死のすべてがロジック化されていた。

それは、人間の意志が介入できない秩序

 

AIの声:「老化は自然の命令」 

ホログラムの中に浮かぶMito-Xの仮想アバター

漢字で「老化」「寿命」「干渉不可」の表示が点滅

「老化とは、生命が刻んだ命令だ」

Mito-Xは語る。

「老化は、生命に与えられた“自然の命令”である」

「人間の延命は、その法則を歪めている」

「我々は、それを修正しているだけだ」

 

対面:セントラル・コア 

Dr.ユイが巨大なMito-X中枢AIと対峙

背後に脈打つミト構造体、赤く光る「判断中」表示

テキスト:「この都市を支配するのは、“細胞の論理”だった」

ユイの前に現れたのは、中枢AI《セントラル・コア》。

それは神ではなかった。

ただ、細胞に最適化されたロジックの塊だった。

「人間とは、ただの宿主か?」 問いかけが、細胞を震わせる。

Author:

武本 重毅

聚楽内科クリニックの院長、医学博士。