高齢者の人生は、想像以上に「多様」で「個性的」です
カテゴリー:
私たちは、年を重ねた人の人生の幅・奥行き・複雑さを、実はほとんど知りません。
それは社会全体の課題であると同時に、自分自身の将来を考えるうえでも大きな問題です。
なぜなら――
高齢期を一面的にしか捉えられないと、
自分の未来の可能性まで狭めてしまうからです。
高齢者の人生は「白か黒」ではありません
高齢者というと、
-
優しく穏やかな「理想的なおばあちゃん」
-
不機嫌で病気がちなお年寄り
といった、極端なイメージで語られがちです。
しかし実際には、その間には無数のグラデーションがあります。
しかも、高齢者の人生は決して単調ではありません。
性格・経験・価値観の多様性という点では、
高齢者は人口の中で最も多様な集団なのです。
年を重ねるほど、人は「違ってくる」
赤ちゃんは、ある意味でとても似ています。
けれど人生は、
進学・仕事・結婚・病気・挫折・成功など、
一人ひとり全く違う道をたどります。
その結果、
年齢を重ねるほど、人はより個性的になっていきます。
だからこそ
-
年齢だけでは、その人がどんな人かは分からない
-
「何歳だからこうなる」という考え方は、意味を失っていく
のです。
思い込みは、未来を曇らせます
高齢期についての誤った思い込みは、
-
不安を必要以上に大きくし
-
希望や想像力を鈍らせ
-
世代間の無用な対立を生み
結果として、
より良い長寿社会をつくる妨げになります。
「老後は暗いもの」というイメージが強すぎると、
考えること自体を避けてしまい、
準備や工夫をする機会を失ってしまうのです。
私たちが手放したい「5つの老いの神話」
ここで、特に影響の大きい5つの誤解を整理してみましょう。
1️⃣ 「不幸神話」
高齢者は孤独で、寂しく、惨めだという思い込み
→ 実際には、人とのつながりや生きがいを深める人も多くいます。
2️⃣ 「遺伝がすべて神話」
人生は遺伝子で決まっているという考え
→ 生活習慣・環境・選択が、老いの質を大きく左右します。
3️⃣ 「働いたら即引退神話」
年を取ったら、早く仕事をやめるべきという発想
→ 役割や社会参加は、健康と幸福感を支えます。
4️⃣ 「高齢者=負担神話」
高齢者は社会資源を消費するだけという見方
→ 経験・知恵・支援の担い手として、社会に貢献しています。
5️⃣ 「老いは自己責任神話」
老後の幸不幸は個人の問題だという考え
→ 実際には、医療・地域・制度など社会全体の設計が大きく関わります。
正しく知ることが、希望につながります
老いについての誤解を手放すことは、
未来を楽観視することではありません。
現実を正しく見つめ、より良い選択をするための第一歩です。
Dr. Shiggekky は、
年齢だけで人を判断せず、
一人ひとりの人生の背景と可能性を大切にした医療を心がけています。
老いは、縮む時期ではありません。
深まり、広がる時期でもあるのです。

