「年を取ると不幸になる」という最大の誤解
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「年齢を重ねるほど、孤独で不幸になる」
―これは、最も根強く、そして最も間違っている思い込みの一つです。
もし
「一番幸せな時期は、もう過ぎてしまったのでは…」
と感じているなら、どうか安心してください。
心の面では、人生の“いちばん良い時期”は、むしろ後半にやってくることが多いのです。
心の健康は、年齢とともに良くなる
老化の心理学を長年研究した結果、はっきり分かっていることがあります。
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高齢者は、若い世代より
うつ・不安・依存症が少ない -
日常で感じる
怒り・不安・落ち込みなどのネガティブ感情が少ない -
ポジティブな感情の量は、若者と同じくらい多い
しかも、嫌な気持ちが生じても、
引きずらず、上手に手放す力が高まります。
※ 認知症など器質的な病気は例外ですが、
一般的な精神的健康は、年齢とともに改善する傾向があります。
なぜ、年を取るほど心が安定するのか
この現象は「老化のパラドックス」と呼ばれることがありますが、
実はとても理にかなった変化です。
人は無意識のうちに、
自分の人生の残り時間を感じ取りながら生きています。
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若い頃:
時間は無限に感じられ、
知識・経験・人脈を広く集めようとする -
年齢を重ねると:
残された時間を意識し、
深さ・大切さ・親密さを重視するようになる
その結果、
「何に時間と心を使うか」を
とても選別するようになるのです。
小さな喜びが、人生を満たす
年を重ねると、
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どうでもいい人間関係に振り回されなくなる
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怒りや不満にエネルギーを使わなくなる
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「今、この瞬間の良さ」を味わえるようになる
ある高齢の女性は、こんな言葉を残しています。
「相変わらず冬は寒いけれど、
今夜の満月は本当にきれいね」
これは、
人生の視点が変わった証拠です。
人間関係は「減る」けれど「良くなる」
高齢になると、交友関係は自然と小さくなります。
でもそれは、孤独になったからではありません。
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本当に大切な人だけを残す
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表面的な付き合いを手放す
その結果、
人間関係の満足度は、むしろ高くなることが分かっています。
夫婦関係は、年齢とともに深まる
意外に思われるかもしれませんが、
夫婦関係は、子どもが独立した後に良くなることが多いのです。
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口論が減る
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お互いを理解し、許し合える
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再び“二人の時間”を楽しめる
実際、
長年連れ添った夫婦は、
若い頃よりも幸福感が高いと答えることが少なくありません。
実は一番つらいのは「20代」
では、いちばん不安やストレスが多いのは、どの年代でしょうか?
答えは――
20代です。
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選択肢が多すぎる
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将来が見えない
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他人の評価が気になる
「何者になるか」を決めなければならない時期は、
自由であると同時に、とても消耗する時期でもあります。
年を重ねると、
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すでに多くの選択を終えている
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他人の目を必要以上に気にしなくなる
そのため、心が落ち着いていくのです。
老いは「苦しみの時代」ではありません
もちろん、老後に困難がないわけではありません。
病気、別れ、体力の低下――現実はあります。
それでも多くの人は、
苦さよりも、人生の甘さに目を向けられるようになるのです。
Dr. Shiggekky は、
「年だから仕方ない」と諦めるのではなく、
年を重ねることで育つ心の力にも目を向けた医療を大切にしています。
老いは、
失っていく時間ではありません。
味わい深くなっていく時間なのです。

