「糖尿病=ミトコンドリア病」連載 第4回 ― 血糖を下げても治らない理由 なぜ“エネルギー視点”が必要なのか
糖尿病治療を受けている方の中には、
こんな経験をされた方が少なくありません。
- 血糖値は基準内
- HbA1cも改善
- でも、疲れやすい
- 体力が戻らない
- どこか調子が悪い
この現象は、決して例外ではありません。
むしろとても理にかなった反応です。
なぜなら――
血糖値が下がることと
体が元気になることは、
必ずしも同じではないからです。
■ 血糖値は「結果の数字」
血糖値は重要な指標です。
しかし、それはあくまで
体の状態を映し出した“結果”にすぎません。
血糖が高いとき、体の中では
- 糖が使われていない
- エネルギーとして処理できていない
という問題が起きています。
ここで注目すべきなのは、
「糖が多い」ことよりも、
「糖を使えない」ことです。
■ 血糖を下げる治療の限界
現在の糖尿病治療薬は、
非常に優れた効果を持っています。
- 食べ過ぎを抑える
- 血中の糖を外に逃がす
- 数値を安全に管理する
これらは、治療として正しく、必要なものです。
ただし、これらの治療は多くの場合、
エネルギーを作る場所そのもの
(=ミトコンドリア)には
直接手を入れていません。
例えるなら、
「家計簿をきれいに整える」ことはできても、
収入を増やす仕組みには触れていない状態です。
■ エネルギーが足りないまま下げると何が起きるか
ミトコンドリアが十分に働いていない状態で
血糖だけを下げ続けると、
- だるさ
- 易疲労感
- 集中力低下
- 筋力低下
が起こりやすくなります。
これは副作用というより、
エネルギー不足の自然な結果です。
体は「これ以上使えない」と
静かにブレーキをかけているのです。
■ なぜ“エネルギー視点”が必要なのか
ここで重要になるのが、
エネルギー視点の医療です。
エネルギー視点とは、
- どれだけ糖があるか
ではなく - どれだけ使えているか
を見る考え方です。
ミトコンドリアが回り始めると、
- 同じ血糖値でも体は楽になる
- 食後のだるさが減る
- 動いた後の回復が早くなる
といった変化が現れます。
これは、
数値では測りにくいけれど、
体感としては非常に分かりやすい改善です。
■ 治療の主役を入れ替える
これからの糖尿病医療では、
治療の主役が少しずつ変わっていきます。
- 主役:血糖値 → ❌
- 主役:ミトコンドリア → ⭕
血糖値は、
主役ではなく結果を見る指標になります。
その上で、
必要な場面で薬を使い、
無理なく支える。
これが、
「下げる医療」から
「回す医療」への転換です。
■ 第4回のまとめ
- 血糖値は
原因ではなく結果 - 数値改善だけでは
体は元気にならないことがある - 本当に必要なのは
エネルギーが作れる状態 - 糖尿病治療は
“下げる”から“回す”へ
▶ 次回予告(第5回)
「ミトコンドリアを整えるとはどういうことか
― 生活・栄養・治療の順番」
薬よりも前に考えるべきこと、
そして薬を“活かす”身体づくりについて解説します。

