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院長日記

「糖尿病=ミトコンドリア病」連載 第4回 ― 血糖を下げても治らない理由 なぜ“エネルギー視点”が必要なのか

武本 重毅

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糖尿病治療を受けている方の中には、
こんな経験をされた方が少なくありません。

  • 血糖値は基準内
  • HbA1cも改善
  • でも、疲れやすい
  • 体力が戻らない
  • どこか調子が悪い

この現象は、決して例外ではありません。
むしろとても理にかなった反応です。

なぜなら――
血糖値が下がること
体が元気になることは、
必ずしも同じではないからです。

血糖値は「結果の数字」

血糖値は重要な指標です。
しかし、それはあくまで
体の状態を映し出した“結果”にすぎません。

血糖が高いとき、体の中では

  • 糖が使われていない
  • エネルギーとして処理できていない

という問題が起きています。

ここで注目すべきなのは、
「糖が多い」ことよりも、
「糖を使えない」ことです。

血糖を下げる治療の限界

現在の糖尿病治療薬は、
非常に優れた効果を持っています。

  • 食べ過ぎを抑える
  • 血中の糖を外に逃がす
  • 数値を安全に管理する

これらは、治療として正しく、必要なものです。

ただし、これらの治療は多くの場合、

エネルギーを作る場所そのもの
(=ミトコンドリア)には
直接手を入れていません。

例えるなら、
「家計簿をきれいに整える」ことはできても、
収入を増やす仕組みには触れていない状態です。

エネルギーが足りないまま下げると何が起きるか

ミトコンドリアが十分に働いていない状態で
血糖だけを下げ続けると、

  • だるさ
  • 易疲労感
  • 集中力低下
  • 筋力低下

が起こりやすくなります。

これは副作用というより、
エネルギー不足の自然な結果です。

体は「これ以上使えない」と
静かにブレーキをかけているのです。

なぜ“エネルギー視点”が必要なのか

ここで重要になるのが、
エネルギー視点の医療です。

エネルギー視点とは、

  • どれだけ糖があるか
    ではなく
  • どれだけ使えているか

を見る考え方です。

ミトコンドリアが回り始めると、

  • 同じ血糖値でも体は楽になる
  • 食後のだるさが減る
  • 動いた後の回復が早くなる

といった変化が現れます。

これは、
数値では測りにくいけれど、
体感としては非常に分かりやすい改善です。

治療の主役を入れ替える

これからの糖尿病医療では、
治療の主役が少しずつ変わっていきます。

  • 主役:血糖値 → ❌
  • 主役:ミトコンドリア → ⭕

血糖値は、
主役ではなく結果を見る指標になります。

その上で、
必要な場面で薬を使い、
無理なく支える。

これが、
「下げる医療」から
「回す医療」への転換です。

第4回のまとめ

  • 血糖値は
    原因ではなく結果
  • 数値改善だけでは
    体は元気にならないことがある
  • 本当に必要なのは
    エネルギーが作れる状態
  • 糖尿病治療は
    下げる”から“回す”へ

次回予告(第5回)

「ミトコンドリアを整えるとはどういうことか
― 生活・栄養・治療の順番」

薬よりも前に考えるべきこと、
そして薬を“活かす”身体づくりについて解説します。

Author:

武本 重毅

聚楽内科クリニックの院長、医学博士。