次回作に向けて:生命の秩序
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私は長い間、
老化とは何かを考えてきた。
炎症なのか。
DNA損傷なのか。
ミトコンドリア障害なのか。
あるいは時間そのものなのか。
その答えを探しているうちに、
私は別の問いへたどり着いた。
生命とは何か。
という問いである。
かつて私たちは、
生命の設計図はDNAに書かれていると考えた。
そして近年は、
DNAそのものではなく、
その使い方を記録するエピジェノム情報こそが、
老化の本質ではないかと考えられるようになった。
もしそうなら、
老化とは
「情報の喪失」
なのかもしれない。
しかし私は、
それだけでは説明できない何かを感じている。
生命は情報だけでは動かない。
情報があり、
エネルギーがあり、
構造があり、
流れがあり、
信号がある。
そしてそれらが、
絶妙な秩序の中で結びついたとき、
初めて生命は生命になる。
細胞は自ら集まり、
組織を作り、
臓器を作り、
個体を作る。
誰かが命令したわけではない。
生命は自ら秩序を生み出している。
私はこれを
「生命の自己組織化」
と呼びたい。
もし生命の本質が自己組織化なら、
老化とは何だろう。
それは単なる分子損傷ではない。
単なるエピジェノム異常でもない。
老化とは、
生命が本来持つ秩序を維持する力が
少しずつ失われていく現象なのかもしれない。
Aging is not time.
Aging is not only molecular damage.
Aging is not only information loss.
Aging may be the progressive loss of biological self-organization.
生命とは自己組織化である。
老化とは自己組織化能力の低下である。
そして回復とは、
失われた秩序を取り戻すことなのだ。

