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院長日記

成人のインフルエンザ予防接種ならびに風疹予防接種の回数について

武本 重毅

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 最近、当クリニックでは成人のインフルエンザ予防接種と、まれに風疹抗体価が低い成人の予防接種をおこなっています。そんな中、「予防接種の回数は1回でよいのですか」と質問を受けることが、しばしばあります。

 インフルエンザウイルスの場合、その年のウイルスをカバーできる有効率は70%くらいであるといわれています。しかし予防接種を受けることで、感染した場合の症状が軽くなったり、他の人への感染を防ぐことができるなどの効果を期待することができます。また、成人の場合にはその年齢までに多くのインフルエンザに暴露しているので、すでに多くのタイプに対して免疫力をもっていることを考えますと、まだ暴露した機会が少ない小児のように2回摂取する必要はないでしょう。

 風疹の場合には、1回の予防接種後に抗体価上昇が95~99%で認められるということですので、1回の摂取で効果を期待できます。まずは今回の取組みで、できるだけ多くの人に予防接種できるように、成人へは1回のみの風疹予防接種が推奨されているようです。

 本来、長期的な予防を実現するためには、2回の予防接種が必要と考えられるところではありますが、使用するワクチンの不足は避けなければなりません。みなさまのご理解とご協力をお願い致します。

Author:

武本 重毅

聚楽内科クリニックの院長、医学博士。