Director's blog
院長日記

何故われわれの身体はNMNを必要とするのか

武本 重毅

聚楽内科クリニックでは、2021年9月よりNMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)製品の販売を始めました。

NMNは、人間の細胞内でもつくられていますし

アボカド、ブロッコリー、枝豆、トマト、キャベツなどの食物にも含まれています。

NMNは、母乳にも含まれていることから、人間が生まれて初めて摂取する大事な栄養素のひとつとも言えます。

 

最近の研究からNMNは

NAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)の前駆体であり

NADの産生を促進することで長寿遺伝子産物であるサーチュインを活性化することがわかってきました。

 

サーチュインのはたらきとしては、つぎに挙げるような研究結果が一流科学誌に掲載されています。

  • 老化に伴う疾患である、糖尿病、心疾患、アルツハイマー型認知症、骨粗鬆症、がんから私たちを守る。
  • アテローム性動脈硬化症、代謝異常、潰瘍性大腸炎、関節炎、喘息へとつながる慢性炎症の亢進を鎮める。
  • 細胞死を防ぐ。
  • ミトコンドリアの機能を高める。
  • 筋肉消耗と闘う(疲労回復)。
  • 眼の黄斑変性を改善する。
  • 記憶力が向上する。
  • 運動持久力が高まる。
  • 何を食べても太りにくくなる(体重増加の抑制)
  • 生殖機能が向上する。

 

NADは、生体内において500種あまりの酵素に利用されており

数々の重要な生体プロセスを調整するうえで鍵を握る物質です。

そのNAD濃度は年齢とともに低下することがわかりました。

しかもその現象は

脳、血液、筋肉、免疫細胞、膵臓、皮膚など全身で見られ

微細な血管の内側を覆う内皮細胞でさえ例外ではなかったのです。

つまり、老化とは

NAD減少により引きおこされた臓器や組織の機能低下であると考えられます。

 

絶食や運動でNAD量を増やすことは可能ですが

NADそのものを摂取しても細胞には取り込まれません。

 

繰り返しになりますが

摂取されたNMNは体内でNADに変換され

サーチュインの燃料となります。

そして、老化を防ぐのです。

210617_週刊新潮(6月24日号より抜粋) 【「若返り」二つの”妙薬”】

Author:

武本 重毅

聚楽内科クリニックの院長、医学博士。