Director's blog
院長日記

国際交流における日本の立ち位置

武本 重毅

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今から10~15年ほど前のことになりますが、JICA協力の下で発展途上国研修員のための日本滞在型国際医療協力に携わっていました。

わたしの諸先輩方が築いた日本国内有数な学者・研究者・政府関係者とのネットワークを駆使して

感染症対策、特にエイズを中心に肝炎や安全な輸血療法などの研修をお手伝いしました。

ただ、その当時から制御可能となったそれらのテーマよりも

発展途上国においては、マラリアや結核菌感染症にどのように対応していくかが残された課題となっていました。

 

また、これは余談ですが、たとえば検査キットで

エイズの診断を1回で確定できるもの(現在では抗体検査の後に核酸検査による確定検査が必要)

エイズだけでなくマラリア等の感染症診断も同時にできるもの

そして何よりも市場のニーズに応えた適正価格であるものが求められていました。

 

この30年ほど繰り返される世界的な経済危機の状態にありますが、その中でアフリカの経済発展にはめざましいものがあります。

アフリカというと貧しい国々という印象をもっている方もいらっしゃいますが、そのような話はもう以前のものであり、空港などに飛行機が着陸して思うのは日本の空港かと見間違えんばかりの立派な設備といいます。

さらに中国やインドの資本進出もめざましく、会議場の消火器にも中国語が踊っているそうです。

 

このように発展途上国であっても最大の資金提供元は自国政府であることに変わりはなく

不効率な不明金の支給は仕方ないところがあるにしても

ポストコロナ禍の世界的な経済危機の中で

日本が世界の国々と

どのように理想的なパートナーシップを構築していくかということが課題となっています。

Author:

武本 重毅

聚楽内科クリニックの院長、医学博士。