Director's blog
院長日記

今後はなるべくクリニックでお薬をお渡しします!

武本 重毅

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当院では患者さんにやさしい院内処方をはじめました!

 

これまで私たちのクリニックでは処方箋を発行して、皆さまに調剤薬局で薬を受け取っていただく院外処方の形をとっていました。

院外処方によるメリットとして、複数の医療機関から薬の処方がある場合には、飲み合わせなど安全性の面で優れているのです。薬を用意する人件費も少なくて済むし、薬を管理する手間もはぶけるので、ある意味一石三鳥なのです。

 

しかしご存知でしょうか?

多くの患者さんが「医院で薬をもらうのも、薬局で薬をもらうのも同じ金額だろう」と思っておられますが、これは大きな間違いなのです。

実は、院外処方では院内処方に比べていろいろな料金が加わるため、患者さんが負担する費用が高くなってしまいます。おそらく支払い額で1000円以上の差額が生じることになります。さらに、院外処方ではジェネリックに変更し、分包や頓服にするごとに、上記に加えて、どんどん加算(追加料金)が増えていくというシステムなのです。

 

まず薬というのは本来、医師が処方箋を書き、それに従って調剤がなされるというものなので、「処方料(処方箋料)」というものが発生します。院外処方では680円、院内処方は420円です。このように処方の料金自体も院内処方のほうが安いのです。

 

そして「調剤料」です。院内調剤と院外調剤では大きく違います。院内調剤では種類・日数に関係なく内服薬は一律110円(頓服薬も含まれる)、外用薬も種類・混合にかかわらず一律80円の調剤料です。つまり「院内調剤では量に関係なく一定」なのですが、「院外調剤では量が増えると費用も加算」します。院外調剤では内服薬が多種類・長期間となるとどんどん高くなり、頓服薬が加わればさらに調剤料が加わります。外用薬も種類に応じて、ステロイド剤+保湿剤といったような混合薬が加わればさらに調剤料が加わります(私たちのクリニックでは混合薬の調剤は行なっておりませんので悪しからず)。

 

このように、薬が処方される過程では「医療機関での処方→調剤」という流れがあり、「院内処方医療機関での処方料(安い)⇒ 院内調剤料(安い)」に対し「院外処方医療機関での処方(高い)⇒ 院外調剤料(高い)」という二重に高い構造になっているわけです。

 

物価高騰が続き、世界的な経済危機への兆候がみられる中

皆さまの生活を守るために

私たちができるだけのことをやっていこうと思った次第です(院内処方は安い!)。

調剤薬局等への手数料等がないため、自己負担金額が少ない院内処方は、院外処方に対し3分の1程度になります。私たちのクリニックにこれまで通い慣れた患者様(院外処方だった)が、今回始めた院内処方で同じ内容のお薬を貰ったとしたら、あまりの安さに驚かれるかもしれませんね。

 

また院内処方は、費用面もさることながら、以下のような優れたメリットがあります。

新型コロナ禍で私たちに必要なのは、手指消毒・うがい・マスクと、不必要な人との接触を避けることですが、そういう状況だからこその院内処方なのです!

 

1.わざわざ院外の調剤薬局に行く必要がない
薬局に行く手間や時間が節約でき、会計が一度で済みます。特に雨の日やお子さん連れの方、高齢者の方は移動が大変です。待ち時間も大変だと思います。

 

2.処方された薬剤に関することを速やかに担当医に聞くことができる
会計窓口で「あっ、そういえば」と薬に関して質問される方は結構いらっしゃいます。院外処方して調剤薬局の窓口で思い出した場合、医師への確認はクリニックにもどるか調剤薬局を通じて問い合わせるため時間がかかります。

 

3.薬剤の変更や日数の変更を希望した場合、融通がきくし対応が早い
院外処方して調剤薬局の窓口で希望した場合はクリニックへ変更依頼→調剤薬局での変更となり時間がかかりますし、場合によっては私たちのクリニックに再度足を運ばなくてはなりません。

 

これからは

患者様にとって経済的なメリットが大きく

利便性が高い

院内処方です!

 

皆さんの負担が少しでも軽くなるようにと、私たちは院内処方を始めました!

Author:

武本 重毅

聚楽内科クリニックの院長、医学博士。