これから増える新型コロナウイルス感染の後遺症
新型コロナウイルス感染の第7波は
まだまだ猛威をふるっています。
これで熊本県の感染者数は
21.5万人となり
まだまだ増えそうです。
新しく感染を起こした人々はもちろんですが
最近、感染した後の症状で
治療が難しいだけでなく
強い不安感を抱いているような患者さんに遭遇するようになりました。
感染既往者の8人に一人が
後遺症に悩んでいるそうです。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)後の症状は
新型コロナウイルスに罹患した人にみられ
少なくとも2カ月以上持続し
他の疾患による症状として説明がつかないものです。
通常はCOVID-19の発症から3カ月経った時点にもみられます。
症状には
倦怠感
息切れ
思考力や記憶への影響などがあり
日常生活に影響することもあります。
代表的な症状
●疲労感・倦怠感
●関節痛 ●筋肉痛
●咳 ●喀痰 ●息切れ ●胸痛 ●脱毛
●記憶障害 ●集中力低下 ●不眠 ●頭痛 ●抑うつ
●嗅覚障害 ●味覚障害 ●動悸 ●下痢 ●腹痛 ●睡眠障害 ●筋力低下
世代別の検討では
若年者(40歳以下)中年者(41~64歳)、高齢者(65歳以上)の各世代の順で
診断後3カ月時点で43.6%(75/172名)、51.9%(219/422名)、40.1%(127/317名)
診断後6カ月時点で39.0%(62/159名)、45.4%(181/399名)、34.1%(98/287名)
診断後12カ月時点で32.4%(36/111名)、37.7%(124/329名)、28.2%(75/266 名)と
いずれも中年者で罹患後症状を認める割合が高かったようです。
そして
診断後12カ月時点では
若年者で感覚過敏、脱毛、頭痛、集中力低下、味覚障害、嗅覚障害が多く
中年者と高齢者では、咳、痰、関節痛、筋肉痛、眼科症状を多く認めました。
この病態機序は不明な点が多く
諸説ありますが
ウイルスに感染した組織(特に肺)への直接的な障害
ウイルス感染後の免疫調節不全による炎症の進行
ウイルスによる血液凝固能亢進と血栓症による血管損傷・虚血
などがあげられています。
今後は
新しい感染者やワクチン副反応だけでなく
感染既往のある患者の後遺症についても
正しい検査・診断法と
治療法の確立が望まれます。