Director's blog
院長日記

NMN文献その8「NMNの長期投与は老化にともなう身体の衰えを細胞レベルから回復させる」

武本 重毅

カテゴリー: 

Long-Term Administration of Nicotinamide Mononucleotide Mitigates Age-Associated Physiological Decline in Mice.

Mills KF, et al. Cell Metab. 2016. PMID: 28068222

 

今回ご紹介する研究では

正常に老化しているネズミに

12ヵ月と長期にわたってNMNを投与しました。

そして

経口的NMNを投与することにより

組織におけるNAD合成が急速に起こり

これによって

NMN

老化した身体の衰えを

著しく改善したのでした。

いかなる毒性や副作用も認められませんでした。

NMN

加齢に関連した体重増加を抑制

エネルギー代謝を更新

身体活動を促進

インスリンの感受性を改善

血中脂質異常も改善

眼の機能

骨密度

免疫機能

その他の身体機能を改善させました。

これらの現象は

身体の中で

中心的役割を果たしている臓器の老化に伴う遺伝子発現に変化をもたらし

ミトコンドリアにおける酸化代謝を増強

骨格筋においてミトコンドリアDNAがコードしているタンパクの不均衡を増強したのでした。

このような結果を踏まえ

NAD前駆体であるNMN

人間の老化を予防し治療する

効果的な薬として期待できることが証明されました。

Author:

武本 重毅

聚楽内科クリニックの院長、医学博士。