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院長日記

NMNがはたらくミトコンドリア その5:ミトコンドリア病

武本 重毅

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ほぼすべての細胞にミトコンドリアが存在します。

細胞は同じ種類のものが集まって組織というものを作ります。

神経組織、心筋組織などと呼ばれますが

それらの組織が血管や結合組織などの他の組織といっしょになって

身体のために効率よくきちんと働くようになっている構造体を臓器といいます。

これが脳とか心臓とかになりますが

症状というのは

このような臓器のはたらきが低下した場合に現れます。

ミトコンドリアの働きが低下することが原因でおこる病気を

総称して

ミトコンドリア病と呼んでいます。

 

ミトコンドリア

全身の細胞の中にあって

エネルギーを産生するはたらきを持っています。

そのはたらきが低下すると

細胞の活動が低下します。

たとえば

脳の神経細胞であれば

見たり

聞いたり

物事を理解したり

することが障害されます。

心臓の細胞であれば

血液を全身に送ることができなくなります。

筋肉の細胞なら

運動が障害されたり

疲れやすくなったりします。.

多くは生まれながらにして

ミトコンドリアの働きを低下させるような

遺伝子の変化を持っていて発症しますが

薬の副作用などで二次的に

ミトコンドリアのはたらきが低下しておきる場合もあります。

 

変異ミトコンドリアDNAのもつ分子生物学的な特性から

その臨床症状や障害の部位は

症例によって多様です。

その多様性は

変異ミトコンドリアDNA

一つの細胞の中で

正常なミトコンドリアDNAと一緒に存在していること

またその割合が

臓器ごと

細胞ごとに

異なっていることが原因と考えられます。

 

またエネルギーを多く必要とする組織

神経組織

筋組織など

あるいは

再生が遅い組織

神経組織

心筋など

においては

変異ミトコンドリアDNAの蓄積による障害が

出現しやすく

臓器症状の好発部位になると考えられます。

Author:

武本 重毅

聚楽内科クリニックの院長、医学博士。