今の新型コロナ禍で調査すべきだった?わたしの研究
もう7年余り前のことですが
高齢化社会において
高齢者の肺炎という病変の重要性に注目していました。
特に
白血病やリンパ腫など
肺に腫瘍に関連した病変を生じ得る疾患で
死因に関わっているのは
感染による肺病変なのか
腫瘍細胞による肺病変なのか
という疑問でした。
今であれば
COVID-19感染による肺病変が与える影響にまで
調査を広げることができたことでしょう。
そうすれば
もっと示唆に富む研究成果をあげることが出来たかもしれません。
当時の統計報告によれば
「がん」罹患は1980年代以降増加し
これは人口の高齢化が主な要因と考えられていました。
日本人の死因としても「がん」は第1位を占める主要な原因ですが
一方で平成23年から「肺炎」が死因の第3位に浮上していました。
「肺炎」で亡くなるその多くは高齢者です。
そこで、がん登録患者の死亡原因を見直したところ
たとえ呼吸不全が最終原因であったとしても
その患者が癌末期の状態であれば死因は原疾患「がん」となっていました。
そこで
熊本県内の主な血液腫瘍科のある10施設において
それまで1年間に死亡した造血器腫瘍患者の
死亡時肺病変についての情報を集めて
真の死因としての肺病変の関わりと
その性状について明らかにすることを試みたのでした。