がん患者さまが安心して通うことができるクリニックになりました
昨年あたりからポツポツと
がん治療中の患者さまが私たちのクリニックでも治療を希望して、足を運んでいただけるようになりました。
それは
わたしが、これまで何百人というがん患者さまの治療にたずさわっていたからでしょうか。
わたしが以前、日本癌学会会員、日本臨床腫瘍学会暫定指導医だったからでしょうか。
実は、今のクリニックをはじめた頃
わたしは無力でした。
新しい形のクリニックとして、関連企業上層部の人々の健康管理(人間ドック)に力をいれていたからです。「早期発見」こそが皆さまを幸せにする近道と考え、健診に重きを置いていました。内服薬でさえも常備しておらず、院外処方ばかりに頼っていました。
そんな或る日、わたしの中学校(帯山中学)のときの同級生が尋ねてきました。彼は胃がんでした。某総合病院で治療できないほど進行しているといわれ、どうしたら良いかわからず来院したのでした。
当時のわたしは、彼の話を傾聴し、まずは大学病院を受診させました。そこで手術と抗がん剤治療がはじまり、一方わたしのクリニックに通ってきては、診察して、血液データをチェックして、体調を管理しました。わたしの方で胃がんそのものを治療する術はなく、対症療法としての院外処方しかできませんでした。
彼はこの世を去りました。
わたしは、その時の悔しさを忘れません。
そのとき、検査で異常を見つけ出すだけの診療など意味がない、病気を治す(早期に疾患の芽を摘む)のが医者としての使命だということを肝に銘じました。
彼が他界して3年、私たちのクリニックはすっかり生まれ変わりました。
今ではほとんどの外来患者さまの治療は私たちのクリニックで完結できるように、院内処方・点滴・注射をそろえました。
さらに昨年から今年にかけ私たちが取り組んできたのが「アンチエイジング3本の矢」です。
この10年間で、老化(Aging)に対する考えは大きく変わりました。特にこの数年の間に、私たちの知識は宇宙のビッグパンのように急速に膨大なものとなり、がんを含むほとんどの疾患はゲノムの不安定性やミトコンドリアの機能不全などを特徴とする老化(Aging)で説明できるようになりました。
すなわち、老化が進まないような(できれば若返る)治療を受けることができれば
がんを含む多くの疾患を回避できるかもしれないのです。
水素ガス吸入療法で、悪玉の活性酸素種(ROS)を分解し、ミトコンドリアを含む細胞を守ります。
ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)内服と点滴治療で、サーチュインを活性化し、遺伝子レベルから細胞損傷を修復します。
そして
エクソソーム(Exosome)点滴療法で、私たちの身体の中にある幹細胞が十二分に活動できる環境を整え、血流や神経伝達などの再生を促します。