Director's blog
院長日記

エクソソーム点滴療法とは(昨日リリースした YouTube #15の解説)

エクソソーム点滴療法とは

細胞からの若返り!

内部から輝く美しさへの扉

エクソソーム点滴の魔法♪

 

こんにちは。熊本市東区にあります聚楽内科クリニック院長、武本です。

私たちのクリニックでは、皆さまが人生120年を活動的に楽しんでいただけるように、「アンチエイジング3本の矢」という治療を提供させていただいております。

 

本日は、その中のエクソソームについてお話します。

最近の研究では、エクソソーム細胞間通信を行う際に特定の情報や成分を運ぶことが示されており、その中には細胞の再生や修復を促進する可能性のある成分が含まれていることがあります。これにより、アンチエイジング治療再生医療の分野での応用が期待されています。

 

では、まず身体の中での情報伝達と、その役割についてご説明しましょう。

生命を維持していくために,人体を取り巻く外部環境(気温や湿度,病原微生物の有無など)が変化しても,身体が活発に活動しても,細胞を取り巻く内部環境はつねに一定程度に保たれています。これをホメオスタシス(生体恒常性)といいます。

 たとえば気温がかわっても体温は 36~37℃に保たれており,このほかにも体内水分量や,血液中の塩分濃度,体液の pHなどが狭い範囲で一定に保たれています。

 しかし生体内の諸臓器・組織は,つねに一定の活動をしていればよいというものではありません。生体内外の環境は変化するため,活動状態もそれに応じてダイナミックに調節されています。

 このように,生体内外の環境の変化に応じてさまざまな臓器の機能状態を変化させているのが,自律神経 autonomic nerve と,内分泌腺から分泌されるホルモン hormone です。つまり,この両者はホメオスタシスの主役ということができます。

そして、これらの神経信号ホルモンによる情報は身体中に張り巡らされた神経ならびに血管を通して伝えられます。

 

さらに、ホルモンとは別に、主に免疫細胞など細胞で産生され、近くの細胞または産生細胞自身に作用する情報伝達物質サイトカインと呼びます。

サイトカインの種類は数百にのぼり、その作用も多岐にわたります。

ところが、最近、新たな情報伝達物質の存在が明らかになってきました。それが今回お話するエクソソームです。

エクソソームのサイズは直径 50 ~ 200 nm で、タンパク質、リン脂質、核酸、および細胞によって分泌されるその他の物質が含まれており、それらは細胞間コミュニケーションメッセンジャーとして機能します。エクソソームは脂質二重層で形成されているため、酵素によって破壊されにくく、血液中、尿中、培養細胞の上清中でも安定です。

エクソソームによって運ばれる分子は、放出する細胞から他の細胞に情報を伝達するという重要な役割を果たします。これらのメッセージにより、情報を受け取った細胞は周囲の生物学的出来事を認識し、どのように反応するかを誘導させさせられ変化していきます

 

以前、聚楽内科クリニックのホームページに掲載している「細胞老化と老衰
~限りある人生を自然に看取る~」という記事の中に書きましたように、

細胞老化「SASP」(サスプ)因子を介して周りの細胞に広がっていきます。

老化し分裂を止めた細胞の中では「炎症性サイトカイン」などの免疫物質が数多くつくられ、それが外に分泌されると、周囲の細胞も老化が促進され、慢性炎症が引きおこされます。

 

「ちょっと、待ってください」

「これって問題では?」

 

いや大丈夫です。

 

過去10年間にわたり、老齢動物から若年動物への異時性パラバイオーシスまたは異時性血液交換を用いた実験により、これらのアプローチが若年動物において広範な老化促進表現型を誘発することが示されましたが、

一方で、若い個体と老化した個体の血管をつないで、循環を共有させるパラバイオーシス細胞老化若返りに及ぼす影響についての研究、あるいは臍帯血注射により脳が若返る可能性を示した研究がおこなわれています。

異時性パラバイオーシス「若い血液」の投与、運動やカロリー制限などの全身的およびライフスタイルへの介入を活用することで、脳の老化が厳格なプロセスであるという一般的な見方に疑問を投げかけ、加齢に伴う認知機能や細胞の機能障害をより若々しいレベルに回復できることが実証されました。

若い血液に触れると若返ることができるという話は、昔から存在します。

ドラキュラ伝説です。この可能性が今や科学的にも追求されているのです。

 

ある研究グループは、老齢のマウスに若いマウスの血を注射しました。そして若い血液が流入することで、筋肉が強化され、脳の炎症が減少するなど、あらゆる健康改善がもたらされることに気づきました。若いマウスの血が老齢のマウスの生物学的時計を戻すのを助けていたようなのでした。

 

臍帯由来のエクソソームに関する研究は、アンチエイジング治療の可能性を探る興味深い分野です。臍帯から採取されるエクソソームには、細胞の成長再生修復を促進する可能性がある成分が含まれています。

私たちが治療に用いているヒトのウォートンジェリー組織は、まさに臍帯由来のエクソソームの魅力的な供給源です。

成体間葉系幹細胞と比較して、ウォートンジェリー間葉系幹細胞は、環境要因や遺伝子変化への曝露が最小限であるという利点があります。そして細胞および組織の恒常性を維持する能力を持つ生理活性分子が豊富に含まれています。

これらのエクソソームには、細胞の老化プロセスを減少させ、または逆転させるのに役立つかもしれない成分が含まれているという研究報告があります。また、再生医療組織修復においても、臍帯由来のエクソソームが細胞の再生を助ける可能性があります。

このように、私たちのクリニックで、最も若い情報伝達物質であるウォートンジェリー エクソソームを投与することで、造血幹細胞、その前駆細胞の回復脳機能の改善筋肉強化など様々な若返りを、皆さまに実感していただきたいと思います。

どうぞご期待ください。

 

 

 

Author:

武本 重毅

聚楽内科クリニックの院長、医学博士。