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院長日記

亜鉛の重要性:皮膚の老化

武本 重毅

亜鉛は神経の伝達や細胞分裂、免疫機能など、生命活動に関わる300種類以上の酵素の働きを助ける必須ミネラルです。細胞分裂が盛んな組織・臓器に必要とされ、そのひとつが皮膚です。

このような臓器や組織では、エネルギーが作り出されるのと同時に、老化や病気の原因となる活性酸素種(ROS)も生み出されています。亜鉛、セレン、銅といったミネラルは、メタロチオネインとグルタチオンの補酵素として、細胞内の酸化ストレスを軽減し、その結果として皮膚を保護しています。また、このROSによるダメージから細胞を守るために、体が自ら作り出しているスーパーオキシドディスムターゼ(SOD)と呼ばれる抗酸化力の非常に強い酵素、その材料になっているのも亜鉛、鉄、クロムといった必須ミネラルです。

昨日の院長日記に書きましたように、インスタントラーメン(リン酸塩)化学調味料(グルタミン酸ナトリウム)などを摂り過ぎると、亜鉛不足を引き起こします。また、食物繊維亜鉛のようなミネラルと結びつき、体内への吸収を阻害します。さらにタンニンカフェイン亜鉛と結びつきやすいため、せっかく亜鉛を摂取しても排出されますので、コーヒー(濃い)お茶の摂取には注意が必要です。そのほか、アルコールの摂取により、亜鉛の排出量が増加します

当院では、血液検査で亜鉛濃度を測定しながら、亜鉛欠乏症の治療(内服薬は院内処方)をおこなっています

Author:

武本 重毅

聚楽内科クリニックの院長、医学博士。