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院長日記

「リンゴ病」東京都内で流行患者数が警報基準超えるという報道を受けて

武本 重毅

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わたしが血液内科医として頭に浮かべたのは「赤芽球ろう」という疾患です。

原因不明の貧血が進行するので骨髄検査をしたら、「赤血球系の細胞が見あたらなかった」という経験があります。

今回、2018年以来久しぶりに(4年ぶり)に、かぜに似た症状が出て、ほおなどに発疹ができる「伝染性紅斑」、いわゆる「リンゴ病」が東京都内で流行し、患者数が警報基準を超えたとして、都は対策の徹底を呼びかけています。

リンゴ病はウイルス性の感染症で、多くの患者は発熱などかぜに似た症状とほおなどに赤い発疹が出て子どもを中心に流行し、妊婦が感染すると流産になることもあります。
この同じウイルスが、骨髄中の赤芽球(赤血球の元になる細胞たち)を減少させてしまう場合があるのです。

今回東京都の主な感染患者は、およそ7割が6歳以下の子どもということですので、子どものいる家庭や保育所、幼稚園などに対し、せっけんを使ったこまめな手洗いや、せきエチケットなどの感染対策の徹底が必要です。

Author:

武本 重毅

聚楽内科クリニックの院長、医学博士。