鉄の星地球で生まれた生命:地球上で生きる生物に不可欠な鉄そして鉄の毒性④
逆に鉄を摂りすぎるとどうなるのでしょう?
実は、体に悪影響が出ることも。
適量を守ることが大事ですね!
皆さん、鉄は体にとって必要不可欠なミネラル。
でも、体外で鉄が『錆びる』のと同じようなことが細胞内で起きるか知っていますか?
その鍵を握るのが『活性酸素』。
ここでは、鉄と活性酸素の意外な関係と、体を守る方法を探ります!
体の中の鉄のバランスが崩れると、健康に影響が出ることがあります。
例えば、鉄が不足すると酸素を運べなくなり、疲れやすくなります。
一方、鉄が多すぎると『酸化ストレス』が増え、体の細胞が傷つくことがあります。
過剰な鉄は、肝臓、膵臓、心臓、皮膚、内分泌腺に沈着し、
組織における自由鉄(蛋白質に結合していない鉄)が増加します。
これらが活性酸素種(ROS)を産生することで、臓器障害が発生します。
活性酸素種、略してROSとは、酸素が変化してできる非常に反応性の高い分子のことです。
例えば、私たちが呼吸するとき、エネルギーを作り出す過程で活性酸素が生まれます。
少量なら体に役立つこともありますが、増えすぎると問題です。
では、鉄と活性酸素にはどんな関係があるのでしょうか?
ここで登場するのが『フェントン反応』。
体内の鉄が酸素と反応して、非常に強力な活性酸素『ヒドロキシラジカル』を作り出します。
この反応が暴走すると、細胞がダメージを受けてしまうのです。
鉄過剰になると、鉄が触媒のような役割を果たし、活性酸素種生成を促進してしまいます。
簡単に言えば、鉄が体内でうまく管理されないと、細胞が攻撃されてしまうということですね。
紫外線、タバコ、ストレス。これらも活性酸素を増やす原因なんですよ!
増えすぎた活性酸素は、体にどんな影響を与えるのでしょうか?
一つは『酸化ストレス』。
これは細胞やDNAを傷つけ、老化や病気を引き起こす原因となります。
例えば、動脈硬化や糖尿病、さらにはガンにも関係があると言われています。