Director's blog
院長日記

酸素の毒性:有害な酸素環境下で生存するための進化④

25億年前、シアノバクテリア光合成大量の酸素を生み出しました。

でも、その結果、酸素に弱い多くの生物が絶滅してしまいました。

多くの生物にとって酸素は猛毒でした。

なぜかというと、酸素が細胞内で有害な活性酸素を生み出し、DNAや細胞膜を破壊してしまうからです。

生き延びた生物は、酸素を使いこなす方法を見つけ、私たちのような複雑な生物へと進化したんです。

生存のための進化

酸素毒性を克服するために、生物はどのように進化してきたのでしょうか?

その答えは「抗酸化酵素」と呼ばれる特殊な分子にあります。

例えば、カタラーゼスーパーオキシドジスムターゼといった酵素が活性酸素を分解し、細胞を守る仕組みを進化させました。

また、細胞内でエネルギーを生み出す「ミトコンドリア」も、酸素を効率的に利用するための重要な進化です。

ミトコンドリアは、細胞が酸素を安全に使えるようにしつつ、エネルギーを最大限に引き出す役割を果たしています。

Author:

武本 重毅

聚楽内科クリニックの院長、医学博士。