Director's blog
院長日記

水素吸入療法 その7:ミトコンドリア

武本 重毅

では、細胞の老化はなぜ起こってくるのでしょうか。

真っ先に注目すべきは、ミトコンドリアです。

ミトコンドリアとは、細胞内に存在する小さな構造体(小器官)で、エネルギー産生の中心的な役割を担っています。

その内部には、独自のDNA(ミトコンドリアDNA)が存在しています。

 

このミトコンドリアの働きに異常が生じると、私たちの細胞は老化し、さまざまな疾患老化が引き起こされます。

なぜなら、ミトコンドリアは、「エネルギーの産生工場」だからです。

身体に必要なエネルギーの約95パーセントは、ミトコンドリアがつくり出していると考えられています。

よって、ミトコンドリア機能不全に陥ると細胞がエネルギー不足になり、臓器や組織に影響を与えることになります。

 

ミトコンドリアの機能不全で起こってくる病気をミトコンドリア病と呼びます。

ミトコンドリア病の症状は、非常に多彩です。

『ハリソン内科学』という内科医にとっての教科書がありますが、そこにはミトコンドリア病の症状として下の図に示すようなものが挙げられています。

驚いたことに、これらミトコンドリア病の症状は、そのほとんどが老化が原因でみられる症状と同じではありませんか。

Author:

武本 重毅

聚楽内科クリニックの院長、医学博士。