子曰く、君子は周(あまね)うして比(ひ)せず、小人(しょうじん)は比(ひ)して周(あまね)うせず。 論語【為政篇】
“この一歩の差”が後に千里の差に
人は人とかかわり合って社会をつくり、共存していくものであるから、世の中をわたるのに君子と小人の区別なく、よく人と相談し助け合っていかなければならない。
ところが、小人は広く愛することができず、権力に追随し、利益を獲得するために一部の人とだけ組んで、自分の利益に害のある者は憎み、善悪の判断ができない。これがすなわち「比して周うせず」である。君子と小人はまったく正反対で、たとえば陰陽・昼夜のようだ。しかし、その分岐点はほんの少しの違いなのに、その害たるや千里の隔たりがある。
(渋沢栄一「論語」の読み方、竹内均編・解説)
人生の中で、色々な人と付き合ってみないとわからないこともある。そして振り返ってみると、良い仲間だったのか、悪い仲間と関係をもってしまっていたのか、わかってくる。あとは悪い関係を断ち切って、良い仲間を増やしていくようにがんばるしかない。