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院長日記

「お茶」の種類による体への影響や効能

武本 重毅

「お茶」は種類によって成分が大きく異なり、それに伴って体への影響や効能も変わります。また、過剰摂取によるリスクも種類によって差があります。

以下に代表的なお茶の違いを整理します。

【主要なお茶とその特性比較】
 ①お茶の種類      ②主な成分                      ③期待される効果・作用                        ④注意点
1. ①緑茶・煎茶           ②カテキン(抗酸化)、カフェイン、タンニン         ③抗酸化作用、脂肪燃焼促進、殺菌作用、虫歯予防   ④タンニンが鉄・亜鉛の吸収を阻害/結石リスク(シュウ酸)
2. ①ほうじ茶        ②カテキンは減少、カフェイン少なめ           ③胃にやさしい、リラックス作用            ④比較的安全で刺激少ない
3. ①麦茶               ②ポリフェノール、ピラジン(血流改善)      ③ノンカフェイン、夏の水分補給に適す         ④ミネラル少なめ、抗酸化作用は限定的
4. ①ウーロン茶           ②ポリフェノール、カフェイン、タンニン     ③脂肪吸収抑制、抗酸化               ④緑茶よりはシュウ酸少ないが鉄吸収阻害の可能性あり
5. ①紅茶               ②テアフラビン、カフェイン、タンニン          ③抗酸化、集中力向上                ④鉄吸収阻害、カフェイン多め
6. ①杜仲茶・ルイボスティー ②フラボノイド、ノンカフェイン                ③抗酸化、血圧降下、ミネラル補給          ④特にルイボスティーは鉄の吸収阻害が少ない

【結石・ミネラル吸収阻害との関係】
• シュウ酸:緑茶や煎茶には多く含まれ、カルシウムと結合して腎結石(シュウ酸カルシウム)のリスクを高める。
• タンニン(ポリフェノールの一種):ミネラル(特に鉄、亜鉛、カルシウム)と結合しやすく、吸収阻害の原因に。
• カフェイン:利尿作用があり、水分と一緒にミネラルも排出されやすくなる。

【対策と推奨ポイント】
• 空腹時や食事中は避ける:鉄・亜鉛の吸収を妨げやすいため。
• ノンカフェイン・低タンニンのお茶を併用する:麦茶、ルイボスティー、ほうじ茶など。
• 鉄剤服用時は2時間以上間隔を空けてお茶を飲む:吸収率低下を避けるため。

Author:

武本 重毅

聚楽内科クリニックの院長、医学博士。