Director's blog
院長日記

ミトコンドリアと疲れの関係 ──なぜ40代から急にしんどくなるのか?

武本 重毅

■「なんだか最近、すぐ疲れる」…それ、気のせいではありません
「昔はもう少し頑張れたのに…」
「朝起きても疲れが抜けない」
「寝てもだるい、集中力も続かない」

40代〜50代を迎えると、こうした“疲労感”に悩む方が増えてきます。
年齢のせいだと思っていませんか?
実はそれ、体の中で「エネルギー不足」が起きているサインかもしれません。

そのカギを握っているのが…そう、「ミトコンドリア」なんです。

■ミトコンドリアとは、“体の中の発電所”
私たちの体は約37兆個の細胞からできています。
その1つ1つの細胞の中にあるミトコンドリアは、エネルギー(ATP)を生み出す小さな工場。
脳も心臓も筋肉も、すべてこのATPで動いています。

ミトコンドリアが元気にATPを作ってくれれば、私たちは活動的に動けるし、思考も冴え、回復力も高まります。
逆に、ミトコンドリアが弱ると、「エネルギー切れ」状態に陥ってしまうのです。

■40代から加速する「ミトコンドリア機能低下」
ミトコンドリアの数と働きは、残念ながら加齢とともに減少していきます。
特に40代以降になると、ストレス、食生活の乱れ、運動不足なども影響し、急激に“ミト機能低下”が進みやすくなります。

例えば…
• 昔より疲れが抜けない
• 肌がくすむ、代謝が落ちた
• 風邪を引きやすくなった
• 気分が落ち込みやすい

こうした変化は、“体の発電量”が足りなくなってきている証拠。
つまり、“しんどさ”の正体は、単なる加齢ではなく、ミトコンドリアの疲弊なんです。

■ミトコンドリアが弱る原因とは?
以下のような日常習慣が、ミトコンドリア機能の低下を招きます:

 加工食品や糖質過多の食事

 長時間の座り仕事や運動不足

 睡眠不足(とくに深い睡眠の欠如)

 過度なストレスや交感神経の緊張状態

 活性酸素(ROS)の蓄積

こうした習慣が積み重なると、ミトコンドリアは機能不全に陥り、細胞全体が「疲れやすい」「回復しにくい」状態になります。

■どうすれば、ミトコンドリアは元気になるのか?
ここで登場するのが「ミトコンドリア活性化」です。
私たちのクリニックでは、医学的な知見に基づいて以下のようなサポートを行っています:
 NMN投与 → NAD⁺を増やし、ミトコンドリアを再活性化

 5-ALA補給 → ATP産生を底上げ

 水素ガス吸入 → ミトコンドリアを傷つける活性酸素を除去

 生活習慣の見直し(食事・運動・睡眠)指導

これらを組み合わせることで、“体の中のエネルギー炉”を再点火することが可能なのです。

■まとめ|「疲れやすい自分」は変えられる
慢性的な疲れは、あなたの意思の弱さではありません。
それは、ミトコンドリアという細胞レベルの課題。

でも、だからこそ逆に──ミトコンドリア活性化を始めれば、細胞から元気になれるのです。

40代以降を「老化の坂道」ではなく、「エネルギー再起動のきっかけ」に変えてみませんか?

次回予告:
「“ミトコンドリアは腸で決まる?”──腸内細菌とエネルギー代謝の深いつながり」

Author:

武本 重毅

聚楽内科クリニックの院長、医学博士。