【第6回】Mito Rising応用編:「免疫・感染症とMito Rising」
「ミトは免疫の司令塔──SA-T細胞、CD153、炎症とATPの戦い」
「年齢とともに風邪をひきやすくなった」
「ワクチンを打っても効果が薄い気がする」
それは、免疫力が“エネルギー切れ”を起こしているサインかもしれません。
実は、免疫細胞の働きもミトコンドリア次第──今回は、“免疫とMito Rising”の深い関係を探ります。
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免疫のブレーキとアクセル──sCD30・CD153が語るもの
私が研究してきた「成人T細胞白血病(ATL)」の世界では、sCD30という血中マーカーがよく知られています。これは、T細胞が活性化されたときに細胞表面のCD30から切り出される「免疫の熱量の痕跡」のようなもの。
また、老化関連T細胞(SA-T細胞)と呼ばれる免疫老化の象徴的存在は、CD153という分子を恒常的に発現しています。
CD153は、B細胞(特に老化関連B細胞=ABCs)との相互作用を通じて、
• 炎症性サイトカイン(IL-6など)の持続的放出
• 自己抗体産生の増加
• 免疫の“暴走”と“疲弊”の共存
といった病的環境を作り出します。
この悪循環の根底にあるのが、ATP不足=ミトコンドリア機能の低下なのです。
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エネルギーがなければ免疫は働けない
免疫細胞は、外敵と戦うときに莫大なエネルギーを必要とします。
しかし、高齢になるとミトコンドリアが減少・機能低下し、免疫細胞は“ガス欠”状態に陥ります。
特に問題なのが、
• ナイーブT細胞の減少
• 活性化T細胞の疲弊
• サイトカインの不均衡(炎症体質)
こうした“免疫老化(immunosenescence)”は、感染症やがん、自己免疫病のリスクを高めるだけでなく、老化全体のドライバーにもなります。
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Mito Risingで免疫を立て直す──NMNと5-ALAの可能性
「アンチエイジング3本の矢®」には、免疫の回復力を底支えする成分が含まれています。
1. NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)
→ NAD⁺を増加させ、SIRT1やPARPなどのエネルギー・修復酵素を活性化。
マクロファージやT細胞のエネルギー代謝を再構築し、“免疫監視”機能を高める。
2. 5-ALA(5-アミノレブリン酸)
→ ヘム合成・複合体Ⅳ活性を通じてミトコンドリアの電子伝達系を強化。
炎症ストレス下でもATPを産生できる細胞に“耐久力”を持たせる。
3. 水素吸入(H₂)
→ ROS(特にヒドロキシルラジカル)を除去し、慢性炎症の沈静化と免疫バランスの回復に貢献。
これらは、「免疫を元気にする」だけでなく、「過剰反応を鎮める」ことにも寄与し、まさに“免疫の再教育”といえるアプローチなのです。
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統合医療としてのMito Rising:老化と闘う免疫の味方に
私の長年の研究と臨床経験から、こう言えます。
「免疫はATPで動く。ATPはミトコンドリアで生まれる。だから、Mito Risingは免疫の根幹に届く。」
単なるサプリメントや対症療法ではなく、
免疫の設計図そのものにアプローチするのが「Mito Rising」の真髄です。
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今回【第6回】で、Mito Rising応用編はひとまず終了します。
必要に応じて、本内容をPDF小冊子化向けに再構成検討しています。