SFミトコンドリアマン夏休み特集1:約41000年前
ミシガン州立大学の新たな研究によると、その約41000年前、「ラシャンプ・エクスカーション」と呼ばれる地磁気の著しい弱体化によって、地球に放射する宇宙線量が急増した。空にはオーロラが舞い、地表は有害な紫外線にさらされたようです。
そんな中、ホモ・サピエンスは、洞窟に住むことや原始的な日焼け止めの発明といった方法で工夫を施し、生き延びた可能性があるというのです。
地球の磁場は、溶融された外核に渦巻く電流によって発生する、目には見えないバリアです。この磁場は放射線を地表からそらす働きを持ち、とくにそれは極地に集中しているため、オーロラが極地に現れます。
しかし、このバリアは永久不変ではありません。実際、地磁気はさまよいやすく、完全に反転することさえあります。地磁気変動と呼ばれるこのような現象は、地球の歴史上180回以上起きているそうです。
中でもとくに劇的だったのは、42200年前から41500年前にかけて起きたラシャンプ・エクスカーション。この期間中、地磁気の強さは通常の10%ほどにまで低下しました。防御機能が弱まったことで、地球は紫外線や宇宙線にさらされ、オゾン層も一時的に薄くなりました。
そして、通常の地球防衛は低下し、地表の生命がその影響を被ることとなった。
🌌 空が踊り、地上が息をひそめた時代
およそ4万1千年前。
ある夜、空は見たこともない光で満ちていました。
緑や赤、紫のカーテンのような光が、北も南も関係なく、地平線の向こうまで広がっていたのです。
それは美しいけれど、同時に危険のサインでもありました。
この頃、地球を包む「磁場」という見えない盾が、ほとんど力を失っていたのです。
宇宙からの放射線や、太陽の強烈な紫外線が地表まで降りそそぎ、皮膚を焼くような日差しが昼も夜も容赦なく迫ってきました。
オゾン層も薄くなり、森の木々や動物たちにも異変が広がります。
人々は日中の外出を避け、ひんやりした洞窟の奥で暮らしました。
外へ出るときは、土や植物の汁を肌に塗り、即席の日焼け止めにしました。
炎の明かりと家族の息づかいが、暗い岩の壁にやさしく反射します。
外の世界は危険と隣り合わせでしたが、
その光のカーテンの下で、人々は食べ物を分け合い、子どもたちの笑い声が響きました。
厳しい環境の中でも、人類は工夫し、支え合い、未来へ命をつないだのです。