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院長日記

COVID-19と「年齢」の関係 〜なぜ高齢になると重症化しやすいのか?〜

武本 重毅

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  1. 年齢とリスク
  • 世界のデータで「65歳以上」は入院・集中治療・死亡が圧倒的に多いことがわかっています。
  • 高齢であること自体が最大のリスク因子です。

👉 「年をとること」がウイルスに弱くなる理由があります。

 

  1. 免疫の「老化」
  • 免疫老化:体を守る免疫細胞の力が年齢とともに弱まる。
  • 炎症性老化:体の中で小さな炎症が慢性的に続く。

👉 感染に対抗する力は弱まり、逆に炎症は強く出やすくなります。

 

  1. COVID-19で起こること
  • ウイルスは ACE2受容体 という入り口から体に侵入。
  • 入った後、炎症が暴走して「サイトカインストーム(炎症の嵐)」を起こす。
  • 肺や心臓など臓器に大きなダメージが出てしまいます。

 

  1. どんな対策がある?
  • IL-6阻害薬など「炎症を抑える薬」が重症患者に使われています。
  • ワクチンも高齢者では効果が弱くなることがあり、追加接種や年齢に合わせた工夫が必要です。
  • 普段からの生活習慣改善(食事・睡眠・運動)で免疫を整えることも大切です。

 

  1. メッセージ

高齢の方がCOVID-19で重症化しやすいのは「偶然」ではなく、免疫の加齢変化が背景にあります。
だからこそ「予防」と「早めの医療」がとても大切です。

Author:

武本 重毅

聚楽内科クリニックの院長、医学博士。