Director's blog
院長日記

がん免疫とアンチエイジング3本の矢 ~免疫細胞を守り、がんに立ち向かう新しい視点~

がん細胞の「ずる賢い作戦」

本来、私たちの免疫細胞は体内に生まれたがん細胞を攻撃し、健康を守っています。
ところが、最近の研究で「がん細胞は免疫細胞のエネルギー工場(ミトコンドリア)を壊して、攻撃力を奪ってしまう」という驚くべき仕組みがわかってきました。

エネルギー切れになった免疫細胞は、がんを攻撃できず、がんは生き延びてしまいます。これが、免疫療法が効かないケースの一因とも考えられています。

 

アンチエイジング3本の矢の出番

当院が提唱する 「アンチエイジング3本の矢」(NMN+5-ALA+水素吸入) は、まさにこの弱った免疫細胞を守るための戦略になり得ます。

  1. NMN

体内のNAD⁺を補い、免疫細胞のミトコンドリアを再び活性化します。電池切れのT細胞に「充電」を与えるイメージです。

  1. 5-ALA

ミトコンドリアの働きに欠かせない「ヘム」をつくる材料。エネルギー工場を修復し、細胞が本来の力を取り戻す助けになります。

  1. 水素吸入

がん細胞が免疫細胞に浴びせる「有害な活性酸素」を消去。ミトコンドリアDNAや膜を守り、免疫細胞をストレスから解放します。

 

希望の方向性

現在のがん治療における大きな課題は、「免疫療法が効かない人が多い」という点です。
しかし、3本の矢によって免疫細胞のミトコンドリアを守り、再び元気を取り戻させることができれば、免疫療法の効果を高める新しい道が開けるかもしれません。

 

患者さんへメッセージ

「がん免疫とアンチエイジング3本の矢」は、がんそのものを直接治す薬ではありません。
しかし、からだの中の免疫細胞をサポートすることで、がんに立ち向かう力を底上げする可能性があります。

未来のがん治療は、薬だけに頼るのではなく、細胞の健康を保つことが大切になるでしょう。

Author:

武本 重毅

聚楽内科クリニックの院長、医学博士。