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院長日記

アンチエイジング3本の矢Ⓡとマグネシウム(MRS2チャネル)の関連

  1. NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)
  • NAD⁺合成経路の補充により、エネルギー代謝を改善。
  • Mg²⁺は「Mg-ATP」としてATPを安定化させるだけでなく、NAD⁺依存酵素(サーチュイン・PARPなど)の働きにも関与。
  • MRS2によるミトコンドリアMg²⁺取り込みが円滑であれば、NMN投与効果が最大限に発揮されやすい。
    👉 NMN+Mg²⁺チャネル(MRS2)の協働で、NAD⁺代謝とATP生産の両輪を強化

 

  1. 5-ALA(5-アミノレブリン酸)
  • ミトコンドリア内で ヘム合成 を促進し、呼吸鎖複合体(特に複合体IV:シトクロムcオキシダーゼ)の機能を高める。
  • ヘム合成や電子伝達系の酵素群はMg²⁺依存的なリン酸化反応に支えられている。
  • MRS2を介したMg²⁺の供給が、5-ALAの代謝促進作用を下支え。
    👉 5-ALAの効果を最大化するためにはMg²⁺が必須因子

 

  1. 水素吸入(H₂)
  • 水素はミトコンドリア内で発生する ROS(活性酸素種)を直接還元・消去
  • Mg²⁺不足では電子伝達系が不安定化し、ROS過剰発生→酸化ストレス増加につながる。
  • MRS2チャネルによるMg²⁺取り込みが正常であれば、ROS発生を抑え、水素による抗酸化効果と相乗。
    👉 Mg²⁺でROS過剰を予防し、水素で残余ROSを処理=二段構えの抗酸化戦略

 

総合メッセージ

「アンチエイジング3本の矢」は、いずれも ミトコンドリアの健康を標的 にしています。
そしてその根底には、Mg²⁺を供給するMRS2チャネルがあり、これが正しく働くことで各矢の効果が最大化される。

👉 マグネシウムは“三本の矢”を束ねる見えない“弦”のような存在

Author:

武本 重毅

聚楽内科クリニックの院長、医学博士。