Director's blog
院長日記

がん細胞はなぜミトコンドリアを“送り込む”のか ④

武本 重毅

第4章 免疫逃避の統合モデル:

“ミトコンドリアの質と移送”ががん免疫の成否を決める

従来の免疫抑制の理解は、

  • PD-L1発現
  • Treg増加
  • MDSC増加
  • 乳酸蓄積
  • 栄養枯渇(低糖・低酸素)

といった局所環境の変化を中心に議論されてきた。

しかし冨樫グループの成果により、
TMEの理解は“質的変化”に進化した。

ポイントは、がんが免疫細胞のミトコンドリアそのものを書き換える点にある。

これは従来の免疫抑制と比較して、

  • 極めて直接的
  • 構造的(organelle-level)
  • 持続的(homoplasmy)
  • 不可逆的(senescence誘導)

な作用である。

つまりがんは、
免疫のエネルギー源そのものを潰すことで、
根本的な「抗腫瘍能力」を奪っている。

Author:

武本 重毅

聚楽内科クリニックの院長、医学博士。