Director's blog
院長日記

特許が意味すること(科学的に最も重要なポイント)

Sinclair がここ数年推し進めていた「若返りのリプログラミング(partial reprogramming)」が ついに「米国特許」として法的に認められた ということです。

🔹 焦点は “安全な部分的リプログラミング(OSK)”

完全初期化(山中因子の4つ:OSKM)は腫瘍化のリスクが高いが、
Sinclair らは安全性を確保しながら OSK(Oct4・Sox2・Klf4)だけ を使い、
細胞のエピジェネティック情報を「若返らせる」技術を開発してきました。

この特許はそれを 臓器・組織レベルの治療に応用する方法として、世界で初めて法的に認めた という意味になります。

 

🗨️ Sinclairの文章(要点)

“Cellular reprogramming to reverse aging and promote organ and tissue regeneration.”

The first truly safe age-reversal technology – for healing injuries, treating diseases, and hopefully extending human lifespan.

Sinclair はここで明確に:

  • 老化を巻き戻す
  • 臓器・組織を再生する
  • けが・病気の治療に応用できる
  • 将来的には寿命延長にもつながる

と宣言しています。

科学的にみたこの特許の「革命性」

老化を治療可能な“疾患”として扱う時代が到来した

これは先生が提唱される 「老化は治る」 と完全に一致します。

エピジェネティック理論(Sinclairの“Information Theory of Aging”)が、実用段階に

エピジェネティック情報の損失を巻き戻す—
これが 正式な医療技術(特許) として認められた。

再生医療とアンチエイジング医療の境界が消滅

「ムーンショット」的概念が、現実のテクノロジーとして成立した。

山中因子を使う若返り医療の“安全性”の突破口

腫瘍化リスクを回避した手法に特許が出たのは極めて重要。

Author:

武本 重毅

聚楽内科クリニックの院長、医学博士。