第1章 「アトピック城の呪い」
カテゴリー:
-
炎症, ミトコンドリア, SFミトコンドリアマン, アトピー
むかしむかし、深い森に囲まれた古城がありました。
その城の高い塔には、生まれた時から幽閉されているお姫様がいました。
全身の皮膚は赤く爛れ、
その姿を誰にも見せぬよう、塔の奥に閉じ込められていたのです。
王様は毎夜、塔を見上げては嘆きました。
「これはこの城にかかった呪いなのだ……
姫よ、どうか許してくれ……」
王妃もまた、涙を流しながら祈り続けていました。
その噂を、遠い細胞宇宙の彼方で聞きつけた者がいました。
―ミトコンドリアマン。
彼は夜の闇に紛れ、誰にも気づかれぬよう、静かに塔へと潜入しました。
やがて……。
朝の光とともに、
ミトコンドリアマンは王の前に現れました。
その腕に抱かれていたのは、
玉のような肌をした、美しい姫。
呪いは解かれ、赤みも痛みも消え去っていました。
王様は歓喜し、王妃は声をあげて泣きました。
城中に鐘が鳴り響き、国中をあげて、三日三晩の祝宴が開かれました。
こうして、
アトピック城の呪いは断ち切られたのです。
めでたし、めでたし。
この物語に込められた“もう一つの意味”
- 呪い=体質・炎症・免疫の暴走
- 塔に幽閉された姫=本来は再生できる皮膚
- ミトコンドリアマン=細胞のエネルギーと修復力を取り戻す存在
「生まれつきだから仕方ない」と思われていたものが、
細胞の力を正しく整えることで、変わりうる――
そんなメッセージが、静かに込められています。

