「高齢者が増えると、社会の資源が足りなくなる?」
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― それはとても危険な思い込みです ―
「長生きする人が増えたら、
お金も、医療も、仕事も、地球の資源も足りなくなるのでは?」
こうした不安は、
“不足(スカーシティ)神話”と呼ばれる考え方です。
そしてこれは、
老いにまつわる誤解の中でも、
最も社会を分断しかねない危険な神話です。
高齢者が増える=人口爆発、ではありません
まず、はっきりさせておきたいことがあります。
👉 人口増加の原因は「長寿」ではありません。
実は、
長寿の国ほど、出生率は低下しています。
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教育水準が高い
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医療や衛生環境が整っている
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子どもの死亡率が低い
こうした条件が整うと、
人々は自然に「少ない子どもを大切に育てる」選択をします。
その結果、
先進国では
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人口は「増える」のではなく
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「高齢化(グレー化)」しているのです。
本当の人口問題は、別の場所にあります
一方で、
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平均寿命が短く
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医療・食料・水のインフラが不十分
な地域では、
人口増加が深刻な問題になります。
世界人口の増加のほとんどは、
アフリカ・一部のアジア・中東で起きています。
つまり――
「おじいちゃんが長生きしているから地球が苦しくなる」
これは、事実ではありません。
問題なのは、
長寿という恩恵が、世界で不平等に分配されていることです。
世代間対立は、本当に起きるのでしょうか?
不足神話は、
「高齢者 vs 若者」という
対立構造を生み出しがちです。
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年金は奪い合い
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医療は取り合い
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高齢者は“負担”
しかし、これは
ゼロサム(誰かが得すれば誰かが損をする)思考です。
現実には、
若者の多くは
「高齢者への支援をもっと充実させるべき」
と考えています。
人は、年を取った途端に
自己中心的になるわけではありません。
むしろ多くの場合、
家族や次世代、地球環境への関心は深まります。
「高齢者が働くと、若者の仕事がなくなる?」
これも誤解です。
実際には――
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高齢者の就業率が高い国ほど、若者の失業率は低い
というデータがあります。
さらに、
これから多くの分野で
熟練人材が不足します。
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教育
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管理職
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図書館・事務職
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非営利団体のリーダー
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医療・介護・福祉分野
高齢者が働き続けることは、
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年金制度を支え
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経済を活性化し
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若い世代の負担を減らす
社会全体にとってプラスなのです。
本当に心配すべきなのは、どんな社会?
心配すべきなのは、
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高齢で
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病気がちで
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社会と切り離され
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働く機会も奪われた
そんな状態が当たり前になることです。
反対に、
高齢でも健康で、役割を持ち、社会とつながっている人が多い社会は、
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資源を浪費しません
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対立も生みません
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未来への希望を育てます
Dr. Shiggekky からのメッセージ
老いは、
「奪う存在」ではありません。
社会を支え、次世代につなぐ存在です。
不足を恐れて分断を生むより、
長い人生をどう活かすかを考える方が、
はるかに建設的です。
Dr. Shiggekky は、
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高齢者を「守られる側」としてだけ見るのではなく
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人生の後半を担う“現役の一員”として捉える医療
を大切にしています。
高齢化は、危機ではありません。
使い方次第で、社会の力になる変化なのです。

