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院長日記

「その睡眠薬、本当に必要ですか?」:「認知症リスクと薬」の最新知見

武本 重毅

カテゴリー: 

〜薬は“脳”にも影響する可能性があります〜

ニューヨーク・タイムズ(2026年4月22日付)は、

「認知症リスクを高める可能性がある薬」について、最新研究をもとに特集を掲載しました。

もちろん、必要な薬を自己判断で中止することは危険です。

しかし近年、

👉 「長期使用による脳への影響」

👉 「睡眠・記憶・認知機能との関係」

に注目が集まっています。

今回は、特に話題となっている薬剤群について、わかりやすく解説します。


① 抗ヒスタミン薬(Antihistamines)

■ 特に注意されているのは「抗コリン作用」

一部の抗ヒスタミン薬には、

👉 アセチルコリン(記憶や注意力に重要)

の働きを抑える「抗コリン作用」があります。

アセチルコリンは、
脳の“情報伝達”に非常に重要な神経伝達物質です。


■ 長期使用で認知症リスク上昇?

記事では、

👉 長期間・毎日使用している人では

認知症リスクが約50%増加した研究もある

と紹介されています。

特に注意が必要なのは、

・古いタイプの抗ヒスタミン薬

・市販の睡眠補助薬

・一部の風邪薬

です。


■ 一方で重要なポイント

NYT記事でも強調されているように、

👉 「たまに使う程度」で直ちに問題になるわけではありません。

また、

👉 第二世代抗ヒスタミン薬

(クラリチン、ジルテック等)

は抗コリン作用が少なく、比較的安全とされています。


② ベンゾジアゼピン系睡眠薬・抗不安薬

(例:デパス、ハルシオン、レンドルミン等)


■ なぜ問題になるのか?

これらは脳活動を抑えることで、

・不眠

・不安

・緊張

を和らげます。

しかし高齢者では、

👉 認知機能低下

👉 転倒

👉 せん妄

との関連が指摘されています。


■ ただし「原因と結果」はまだ不明

ここは非常に重要です。

NYT記事でも、

👉 不眠や不安そのものが

認知症の初期症状である可能性

が指摘されています。

つまり、

❌ 「薬=悪」

ではなく、

👉 背景にある睡眠障害やストレス

をどう改善するかが重要です。


③ 抗精神病薬(Antipsychotics)

認知症患者の行動症状などに使用されることがあります。

研究では、

👉 認知機能低下

👉 死亡リスク増加

との関連が報告されています。

そのため現在は、

👉 「必要最小限にする」

方向へ世界的に進んでいます。


④ 胃薬(PPI:プロトンポンプ阻害薬)

(例:タケプロン、ネキシウム等)


■ 結論:まだ議論中

一部研究では認知症リスク上昇が報告されていますが、

👉 明確な結論は出ていません。


■ なぜ関連が疑われるのか?

仮説として、

👉 ビタミンB12不足

との関連が考えられています。

B12不足は、

・しびれ

・疲労

・認知機能低下

と関係するためです。


🌙 実は「睡眠」が根本にある

この記事を読んで感じるのは、

👉 多くの薬が

「睡眠」「不安」「ストレス」

に関係しているということです。

つまり、

・眠れない

・疲れが取れない

・ストレスが強い

という状態そのものが、

👉 脳とミトコンドリアに負担をかけている

可能性があります。


🧬 当院の考え方

当院では、

👉 「薬を減らすこと」だけを目的にするのではなく、

・睡眠

・ストレス

・代謝

・ミトコンドリア機能

を総合的に整えることを重視しています。


■ ミトコンドリアと脳

脳は非常に多くのエネルギーを必要とします。

そのため、

👉 ミトコンドリア機能低下

👉 慢性炎症

👉 睡眠障害

は、脳の老化と深く関係しています。


✅ まとめ

薬はときに必要不可欠です。

しかし、

👉 「長期使用が本当に必要か?」

👉 「他に方法はないか?」

を定期的に見直すことも大切です。

特に、

・睡眠

・運動

・栄養

・ストレス管理

は、脳を守る“土台”になります。


🩺 最後に

自己判断で薬を中止することは危険です。

気になる薬がある場合は、必ず主治医にご相談ください。

Author:

武本 重毅

聚楽内科クリニックの院長、医学博士。