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院長日記

今注目の糖尿病治療薬:SGLT2阻害薬とイメグリミン塩酸塩

武本 重毅

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今や糖尿病治療薬は単に血糖値を下げるためだけに使われるのではなく、更なる効果を期待されるものが処方できるようになりました。

その中で特にわたしが注目している薬が、スーグラやフォシーガなどSGLT2阻害薬とツイミーグ(イメグリミン塩酸塩)です。

 

まずSGLT2阻害薬について説明しましょう。

SGLTとは、体内でグルコース(ブドウ糖)とナトリウムといった栄養分を細胞内に取り込む役割を担うタンパクです。その中で、SGLT2だけは腎臓の近位尿細管に限定的に存在しており、尿中に排泄したグルコースを再吸収するはたらきがあります。

健康な人では、そのはたらきにより、尿糖として排泄されることはありません。尿糖として排泄されるのは、SGLT2の再吸収するはたらきの限界を超えた高血糖状態のときです。そして、糖尿病ではSGLT2の発現が増加していることがわかっています。つまり、より高血糖状態をつくり出しているわけです。

そこでSGLT2阻害薬を使用すると、近位尿細管からのグルコース再吸収が抑えられ、その分だけ尿糖が増え、高血糖が改善されるというわけです。

SGLT2阻害薬の効果は、それだけではありません。

体重が減少し、血圧が低下し、脂質異常が改善するといわれています。さらには、慢性心不全や慢性腎臓病にも効果があり、血液透析の導入を回避できるようになるのではないかと期待されています。

 

次にツイミーグ(イメグリミン塩酸塩)についてです。

これは、既存の薬とは異なる構造と、2つの血糖降下作用メカニズムをもつ、新しいクラスの経口血糖降下薬です。これらの作用にはミトコンドリアを介した各種作用が関係していると推定されており、まだ糖尿病専門医の間では半信半疑なところがあるようですが、実はこのメカニズムこそ、わたしが興味をもって服用(聚楽内科クリニックで販売)しているNMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)の作用により活性化される若返りの一部なのです。

NMNを内服すると、体内でNAD+へと変化し、サーチュインタンパクを活性化することで人間の老化に伴う変化を改善することが知られています。その中には膵臓からのインスリン分泌の改善や肝臓での糖代謝改善、そして筋肉増強・脂肪減少によるインスリン作用向上などが含まれています。

すなわちミトコンドリアを介しての若返り(老化治療)にはたらきかけて、老化にともなう糖尿病発症を予防し治療するという薬になります。

(作用機序はツイミーグパンフレットならびに製薬会社ホームページより引用)

作用機序

 

私たち聚楽内科クリニックでは、このように老化予防につながるような治療を通じて、皆さまの健康寿命に貢献していきたいと考えています。

Author:

武本 重毅

聚楽内科クリニックの院長、医学博士。