NMN文献その6「CD38発現細胞と健康ならびに疾患」
これまで
NMN関連の論文を読みながら
CD38という
NAD分解酵素の存在が
NMN治療の効果を
左右するのではないかと
考えるようになりました。
CD38 and CD157: a long journey from activation markers to multifunctional molecules.
そこで
今回ご紹介するのは
CD38およびその関連分子であるCD157について
正常細胞での発現と
疾患との関連について
まとめた論文です。
CD38は
T細胞
B細胞
単球
マクロファージ
樹状細胞
NK細胞
赤血球
血小板
形質細胞
骨髄前駆細胞
皮質胸腺細胞
胚中心B細胞など
血液細胞・免疫細胞に発現しています。
CD157は
好中球
好酸球
好塩基球
マクロファージ
肥満細胞
濾胞性樹状細胞
骨髄前駆細胞
ストローマ細胞
骨膜
血管内皮細胞
皮膚線維芽細胞
などに発現しています。
CD38は
NAD分解酵素であり
細胞内NADレベルを調節しています。
そしてサーチュインの活性を調節しています。
CD157は
細胞外NADを切断します。
CD38あるいはCD157により
切断された
NAD分解産物は
免疫修飾因子としてはたらくようです。
また可溶性CD38も発見されています。
疾患との関係ですが
まず慢性リンパ性白血病では
白血病細胞での
CD38発現上昇が
疾患のステージ進行と関連しているようです。
CD38分子は
白血病細胞の成長と生存シグナルを与える
分子ネットワークに関与しています。
次に多発性骨髄腫ですが
抗体産生細胞である形質細胞が
腫瘍化したものです。
CD38は
骨髄腫細胞はもちろん
正常の形質細胞の段階から
高発現しています。
このように
健康ならびに疾患において
細胞の生存や分化に必要な微小環境をつくり出し
そして細胞の寿命に関わっていると
考えられるのでした。