NMN文献その7「NMNにより糖尿病前症の女性の筋肉インスリン感受性が増加」
米国ワシントン大学医学部の
吉野美保子准教授
吉野純准教授
Samuel Klein教授
および共同研究者の
今井眞一郎教授らの研究論文が
昨年、権威ある医科学雑誌「Science」に掲載されました。
Nicotinamide mononucleotide increases muscle insulin sensitivity in prediabetic women.
ここ数年NMNを巡って待望されてきたのが
人間に対する効果の検証でした。
その「世界初のNMN臨床試験に関する成果論文」が
ついに発表されたのです。
10年ほど前
吉野純准教授と今井眞一郎教授は
糖尿病マウスへのNMN投与の効果を証明しました。
肥満をともなう2型糖尿病では
NAD+の回復により耐糖能が改善し
肝臓でのインスリン感受性が増加し
酸化ストレス・炎症反応・体内時計に関する遺伝子発現が回復しました。
そして加齢にともなう2型糖尿病では
耐糖能に加え
脂質異常も改善したのでした。
そして今回の臨床試験では
前糖尿病(糖尿病予備軍)で
肥満、閉経後の女性25人(55~75歳)を
無作為に2群に分け
13人は1日250㎎のNMN
12人はプラセボ(偽薬)を
10週間経口摂取しました。
その結果
NMN摂取群の骨格筋(筋肉)で
血糖値を下げるインスリン感受性が平均25%増加し
2型糖尿病やその予備軍で低下する糖の取り込み機能が改善したのです。
インスリン感受性の平均25%の低下は
10%体重を落としたとき
あるいは
糖尿病治療薬のトログリタゾンを12週間投与したときに
生じる改善に匹敵するといいます。
さらにNMN摂取群では
加齢に伴って下がる血液細胞中のNAD濃度が上昇し
筋肉の再構築を促す遺伝子の発現が高まったことも確認されています。
NMNで筋肉の再構築の機能が高まるというのは
マウスによる研究でも分かっていなかったことでした。
このように
NMNの人間に対する効果が
今後も明らかになっていくことでしょう。