昨年勉強して面白かったこと
私たちは
皆さまに役立つ医療を提供するため
機会があれば
その道の専門家から学ぶことを
繰り返し、習慣付けています。
その結果として
単位を取得し
専門医や認定医として
実績を積むことができるわけです。
しかし
仕事の分野においても
得意不得意というものがあるように
試験前には勉強しようと思っていても
毎日の仕事に忙殺されて
なかなか学習が進まないということもあるものです。
というと
言い訳みたいになってしまいますが...
そのような中で
驚きをもって
頭の芯から染み込んでくるような
トピックスもあるわけです。
それが繰り返し頭の中に浮かんできて
やがて知識となって
皆さまに還元されるようになります。
そのひとつが
ミトコンドリアに関する知見でした。
これまで
この院長日記で書いてきましたように
ミトコンドリアは
人間の身体の細胞1個あたりに
何百と存在しており
細胞、組織、ひいては人間の生命そのものに
不可欠な存在なのです。
このため
ミトコンドリアの機能を改善すれば
神経系
心血管系
代謝・内分泌系
呼吸器系
消化管
肝臓
腎臓
血液
免疫
などのはたらきを良くして
全身のさまざまな病気の進行を抑えることもできるでしょうし
老化さえも止めることができると考えられるようになりました。
その大事なミトコンドリアを
がん細胞は
健康な細胞から搾取することで
過酷な環境下で生存し続けて
無限の増殖能を獲得しているらしいのです。
微小環境の中
がん細胞は
いくつか方法により
周りの細胞からミトコンドリアを奪い取って
自身のエネルギー産生を増強しているのです。