ミトコンドリアの機能回復を考える その③:慢性炎症に対する水素の効果
病気の多くは
慢性炎症がその根源にあります。
最近の研究から
多くの炎症の誘発には
細胞内のミトコンドリアで生成された
活性酸素種による障害「酸化ストレス」
が原因となることが分かってきました。
多くの病気に慢性炎症が関与しているため
「慢性炎症は万病の根源」であると言っても過言ではありません。
現代医療は
急性炎症疾患をコントロールすることはできても
慢性炎症疾患をコントロールすることはできません。
炎症は
白血球の一種の細胞が産生する炎症性サイトカイン
を放出することで誘発されます。
軽度の炎症が長引くと
生体にダメージを与え
慢性炎症を誘発します。
最近の研究では
ミトコンドリアが
炎症性サイトカインの産生に重要な役割を果たしていることが分かってきました。
水素は不活性物質です。
しかし
心停止した患者の蘇生後に2%の水素ガスを吸入させることで
特に脳機能の回復が期待できるようになりました。
これは
脳の虚血ー再灌流時に生成する活性酸素種を水素によって除去することで
脳組織のダメージを極力抑え
脳機能の回復につなげようとするものです。
水素は
活性酸素種の中でも最も酸化力の強いヒドロキシルラジカルを選択的に消去できます。
水素が炎症を抑制するメカニズムはよく分かっていませんでした。
炎症モデル動物における水素の効果は
ミトコンドリアの酸化抑制に基づいていることがいくつかの文献で示されています。
水素はミトコンドリアの中に入り
ヒドロキシルラジカルを消去できる唯一の物質ですので
水素でしか
慢性炎症疾患や慢性炎症に関連する多くの疾患を治すことができません。
当院では以下を3本の矢としてエイジング治療を行っており
①NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)療法
②ヒト由来間葉系幹細胞培養上清(エクソソーム)療法
③水素ガス吸入療法
これらを用いて、細胞レベル、さらにはミトコンドリアレベルから体内の加齢変化を治療しています。