Director's blog
院長日記

NMNによる妊娠機能の回復

昨年あたりから、私たちのクリニックに妊娠機能の回復(改善)を希望する女性の通院がみられるようになりました。

高齢出産は卵胞の質の低下と密接に関連していますが、これを改善するための効果的な方法はまだ十分には見つかっていません。

最近、ニコチンアミド モノヌクレオチド(NMN)の投与が、ニコチンアミド アデニン ジヌクレオチド(NAD+)レベルを回復させることで、卵胞の質を効果的に改善することが報告されました。

さらにNMNの有益な効果は、ミトコンドリア機能の回復によるもので、蓄積した活性酸素種(ROS)を除去してアポトーシスを抑制することが示されました。

このように、NMNは、卵胞を母体の加齢に伴う劣化から保護するための実行可能なアプローチであり、高齢女性の生殖機能の回復と生殖補助技術に貢献することが期待されます。

ただ人間においては、まだ確証を得られる段階には至っていません
NMN治療を受けるとしても、それはNMNを補充してNAD+レベルを上げるためであって、どの位の量でどの位の期間続ければ卵胞の質を改善することができるかについてのデータはまだ持ち合わせておりません
 
したがいまして、これからの臨床試験結果に期待していただきたいと思います。

Author:

武本 重毅

聚楽内科クリニックの院長、医学博士。